表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/122

9-15.真実

――…


あれほど激しかった痛みが、消えた。それと同時に感じたのは、大好きな人の匂いと、唇に触れる――


イリスが目を開けるのと、アークが重ねた唇を放したのが、ほぼ同時だった。


「…落ち着いたか?」


不安げなアークの瞳が、吐息がかかるほどの距離でイリスを見つめている。


“魔力欠乏”の発作を起こしたイリスに、アークは自らの魔力を分け与えた。


自分自身もかなりの消耗を伴うため、実戦の場では決して使うことのない方法だが、“魔力欠乏”には最も効果的な応急処置だ。


そしてこの方法においては、“口移し”が一番効率良く、魔力を与えられる。


そう、頭では理解したものの。


イリスはアークに向けて、ぎこちなく頷いて見せた。


アークは心から安堵したように、深い溜息を一つ吐いて。


「…帰ろう。今度こそ、治療に専念してくれ」


「うん…」


イリスをしっかりと抱え上げ、アークが馬車に乗り込む。


日が傾き始める中、2人を乗せた馬車は、守衛館へと戻っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ