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2-6.騎士と天使



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国民の為に貢献するという共通の使命を担うことから、結びつきが強いとされる騎士と天使。


リルフォーレではもう一つ、昔からまことしやかに囁かれている噂があった。


それは、「騎士と天使は、互いに生まれながらに結ばれた、“運命の番”がいる」、というもの。


女神リリーフェが光の加護を与える際、命を危険に晒して魔物と闘う騎士のために、それを支える天使を決めて結び付けているのだ、とも言われている。


そのため今でも、騎士と天使が結ばれた時には、『夫婦』ではなく『番』になったと言うのが一般的だ。


とはいえ、何か根拠があるわけではない。確かに騎士と天使が結ばれることは多いのだが、他の職業を持つ者と結婚することだってあるし、生涯伴侶を持たない者も少なくない。


しかし、“運命の番”という言葉は、少女たちにとってはこの上なく魅力的なようで。


思春期の花天使たちが多く集まる大聖堂では、いつか素敵な恋をしてみたい、と憧れる天使たちの間で、この噂は幾度となく語り継がれていた。


リタたち3人もきっと、そんな憧れに胸をときめかせているのだろう。



そんな話はさておき、家に帰り着いたイリスは早速、数種類の薬草を前に、手際よく調合作業を進めていた。


天使たちは浄化のほかに、人々の病気やケガの治療を行う役割も担っている。


浄化が発現した者は、“回復”の魔法種(カインド)も得意とすることが多い。そのため花天使の講義の中には、医療に関する内容も多く含まれている。


イリスを含む多くの聖天使たちは、仕事の合間に薬を調合し、人々に分け与えているのだ。


もちろん、重い病気や大きなケガは、“回復”を専門とする医師が治療を行うが、街の教会にはよく、風邪で熱を出した時や転んで膝を擦りむいた時など、近所の住人が駆け込んでくる。


イリスが今作っている薬も、そんな人々のために教会が用意する常備薬だった。


薬の在庫が足りなくなってくると、教会のシスターからの補充依頼が書かれた羊皮紙が、“伝聞”の魔法種によって送られてくるのだ。


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