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【実践編】さらば青春の思い出(段ボール)

 ドミニオンステージはカードを乗せる長方形の斜面と、乗せたカードがずり落ちない出っ張りがあればいい。どうやって傾斜をつけるか。


 それについては段ボールの構造を調べたらアイデアが浮かんだ。段ボールは波形の中しん原紙の両側をライナと呼ばれる板紙が挟む構造になっている。ステージを傾斜させたいなら、片側のライナだけをカッターで切る。こうすれば中しん原紙と逆側のライナは残るので段ボールはくっついたままだ。あとは残ったライナの残っている方を谷折りにすれば出っ張りを作ることができる。下側も同じように切ると上の折り込みは傾斜になるし、下の折り込みはカードがずり落ちない引っ掛かりになる。


 要するにこういうことだ。

 ――――――――――――――――

 @@@@@@@@@@@@@@@@

 ――――――――――――――――

        ↑

 矢印部分の一番下だけを切る。


 ―――――――――

 @@@@@@@@|

 ――――――|@|

       |@|

       |@|

 こうなる。


 そしてカードを置く斜面に滑り止めマットを両面テープで貼り付ければ……。両面テープ忘れた、取ってくる。 …………げっと。ぺたぺた。完成です! 余裕余裕!

 ところで段ボール板は何枚ストックしてあるのかって? これしかない。

 これであと三つもステージ作れるのかって? それは僕も気になってた。

 ……失敗やない。これだけははっきりしとる。うまくいかない方法を見つけることが出来ただけ。完成まで途中なだけ。


 しかし段ボールで作ったから貧乏くささが半端ねえな。

 何はともあれ、叩き台はできました。あとはこれをもとにブラッシュアップしていけばおk。


 うにょん(段ボールが元に戻ろうとする動き)。

 まあそうなるわな。


 そもそも段ボール板を土台にすること自体間違いだったのである。段ボールがあれば何でもできると思って許されるのは小学生までだ。あの頃は段ボールとガムテープがあればあらゆる工作ができると信じてやまなかった。


 材料を選定しなおす必要がある。もっとしっかりとした板状のもの。元に戻ろうとすることなく、それぞれがしっかりとした硬さを持っている素材でいて、加工が容易なもの。百均にあればなおよし。そんな都合のいいものが本当にあるのだろうか。いや、ある。僕には心当たりがある。


 それは壁にかけたりするために板状。押しピンが簡単に沈み込む柔らかさ。グリップのきいた手触り。そして百均で手に入る安価性。

 そう、時代はコルクボードである!


 そう思い、鼻息荒く百均に原付を飛ばしたところ運命の出会いをすることになった。

 ダイソー商品、『貼れるボード(白)』。

 これでいいじゃん!


 こいつの端を細長く切って、上下にくっつけて滑り止めマットつければそれですぐ完成やんけ!

 購入! 両面テープも購入! フライドポテトしお味も購入!

 帰宅。

 さあ地獄のカーニバルの始まりだぜ!(三時間ぶり二度目)


 

 それでは二度目になりますが、再び作っていきましょう。ここから色々解説しますが図面無いんで何やってるのかよくわかんないと思います。飛ばしていいです。フィーリングでいけます。嘘です。無理です。最低限、前回の画像検索で出てきたステージの形を把握しておいていただければ。


 まずは貼れるボードの、下から1センチほどのところを横一直線で切り落とします。これを二回繰り返すと二本の細長い切れ端ができますね。カードを乗せる座面を8センチ取るとすると、カードをせき止める1センチの切れ端を貼り付ける余地を残すため、下から9センチ部分をまた横に一直線。これで今、1センチの切れ端が2本と9センチの座面が1つ出来たことになります。あとは切れ端を座面の上の裏と下の表に両面テープで貼り付ければうまくいくはずです。現物が手元にないので数字は適当。すまぬ。


 で、ここでえらいことに気づいたんですよ。下のところにも出っ張りつけてるからカードはそこに引っかかって落ちる心配はないんですよ。

 そうなるとね?

 滑り止めマットの意味とは? こいついらなくねえ?


 …………。

 なんだろう、この最初に手に入れたレアカードを愛着もって使ってたのにどうやっても今の環境で役割を見出せないような感覚。使ってやりたいけど、ないよりマシどころかデッキのスロット圧迫するからいっそない方が良かったみたいな、擁護したくて頑張って理論武装すればするほどむしろこいつのポンコツぶりを浮き彫りにして逆効果にしかなっていない悲しい現実。


 ……うーん……。

 いいや。

 まだマットは9割方残ってるけど所詮は百円である。何か必要な時までさよならバイバイ。俺は貼れるマットと旅に出る。クルクルっと巻いて引き出しにポン。ここで損切りできるのが大人。いつでも大切なのは目的に合った材料選び。高価だろうが思い入れがあろうが用途に合ってなければ必要ないのです。


 これにて無事初期メンバーの段ボール板君と滑り止めマット君は去りました。新メンバーは期待の大型新人こと貼れるボード君と両面テープ君です。テセウスの船状態。ちなみに両面テープ君は貼れるボード君のセロハンを剥がすと粘着面が露出することが判明し必要なくなったので戦力外通告。

 ソロのアカペラやろうとしてるやつがメンバー募集してるみたい。無駄な回り道。


 まあ色々ありましたがあとは切って貼ってを繰り返すだけ! 遺影!

 バカな言動が目立ちましたが何とか完成しそうです。僕がホッしていると小さな小さな鳴き声が聞こえてきました。

 チューチュー。 



 あれから切って貼ってを繰り返し、ステージはほぼ完成しました。

 カードの乗ったステージを見るとつい笑みがこぼれます。ご満悦。一仕事終えた感覚です。早くこれでやりたい。うひょー。


 チューチュー。


 どんなカードが来ても無問題です。間隔もしっかり測っているのでプロジェクトやランドマークを置くスペースだってあります。この頃は発売しておりませんでしたが、移動動物園の習性カードでもどんとこいです。合計二枚までならね。


 チューチュー。


 それでは少しカードを乗せてみましょう。暗黒時代とかどうかな。この拡張好きなんですよね。救貧院とか伯爵とか偽造通貨とか最高。


 チュー。


 たいちょー! 大変でーす!

 どしたー!?

 ネズミ、乗りません!

 ゑ?

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