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勘違い

 『僕』が格闘技をやりたいとか言ってきた。


 瞬間、私の中で『僕』......つまり彼がまだ苛められているのではないかと言う疑惑が発生する。

 


 過去の『僕』......もう蓮司で良いかも知れないけど。

 私は既に女としての私、つまり二条宮恵理であることを受け入れている。


 今目の前にいる肉体的異性を『僕』と呼んでいるのは......どこか寂しいけど『私』が『僕』であったときの名残。

 私に残る記憶がそう解釈しているだけだ。

 そしてそれはこの世界では無い筈の物語。



 私が彼を過去の『僕』と認識していることは恐らく......第三者視点で見れば異常だ。


 そろそろ捨てていった方が良いのかもしれない。

 私は『僕』の可能性を知り、同情と共感、そして誓いを受け継いでいるだけの、別人だと。


 『私』は恵理。 

 二条宮家の一人娘。

 それ以上でもそれ以下でもない。

 そして『彼』は二条宮蓮司。

 我が家の養子であり、『私』の許嫁。



 それで良い。


 


 私は私。

 彼は彼。


 そう自分を再定義し直した私は話を戻す。 

 というか驚きの余り壁ドンと言う物をしてしまった。

 聞いたことはあったけど、まさか自分がすることになるとは......。


 「何かあったの! 怒らないから言ってみなさい!」


 「はい?」


 そして呑気な顔をしている『蓮司』を勢いのままに問い詰める。


 蓮司が格闘技をしたいと言ってきた。

 つまりそんな野蛮な暴力で対応すべき事案が出てきたと考えられる。

 

 力が欲しい。

 決して中二的なアレではなく、純粋なパワー。

 筋力、体力、運動神経、格闘技能。


 それが必要な場面は早々ない。

 ここはアニメのような野蛮な世界ではないのだ。

 そういうのは軍人や格闘家、警察の仕事だ。


 しかし一部ではある。

 学校内での暴力的な苛め。

 そう言うのは児童虐待やらなんやらで縛られてすっかりもやしになった先生とか言う公僕が対応できる問題ではない。

 世の中では教師が苛められるなどと言うことも普通にあるのだ。


 それを制することができるのは個人の持つ称号。 

 誰々は格闘技を習っている。

 誰々は握力が100kgある。

 誰々は時々発狂して机をぶん投げる。


 等々。

 ジャンルは何でもいい。

 何か称号があるだけで苛めというのは無くなる。 


 蓮司はそれを求めているのだ。

 

 そうに決まっている。

 

 苛めに対して非常に敏感な私の心は暴走する。

 でもこれでいい。

 私はこの愛しい存在を守らなくてはいけないのだから。


 

 そうして曖昧に笑う蓮司を問い詰める私であった。

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