愛情の転換
「おいしい?」
そう聞けば、
「うん。」
と即座に顔を崩しながら答える彼。
過去の自分だけど、今の私から見ると可愛く見える。
まあこれもこのおかしな自己愛から派生した感情なんだろう。
自分が作った料理を自分が食べる。
字面だけ見れば非常に寂しいが、これなら寂しくない。
今は気にかけてくれる存在が隣にいるのだから。
それが過去の自分であろうとも、平行世界の自分であろうとも関係ない。
他人が怖い私にとって唯一安らげる場所がここなのだ。
自分しかいない、だけど一人じゃない。
何て素晴らしい状況なんだろう。
互いに根底は一緒。だから不快な要素はあるわけない。
最近人格が肉体に引っ張られたせいか時折、自分に不思議な感情が芽生えていることに気づく。
今までの私は過去の誓いに沿って、義務感と共感を感じながら彼を守り、癒し、慈しむことに心を砕いてきた。
だが最近はいつの間にか彼へ尽くすことに優しく穏やかな気持ちになっている。
もっともっと愛でたい。
慈しみたい。
守りたい。
結果としては同じ行動になるが、私の精神には大きな差が生まれた。
彼に心を砕けば砕くほど幸せな気分になれる。
大きなモチベーションができたのだ。
これが母性というやつなのだろう。
私の精神はもう女のそれになっているのかもしれない。
目覚めた頃は一時不安定だった月経も安定してきている。
着実に精神が肉体を受け入れ始めている。
それも彼のためだと思えば嫌じゃない。
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