ヘタレる主人公(男)
「蓮司、二条宮家の養子になって婿入りしない?」
「......。」
母さんまで二条宮さんに協力しているの!?
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母さんにも養子縁組の件は伝わっていたらしい。
そして結構乗り気だった。
言葉の端々に「なれ」という感じが滲んでいるし。
まあそれで借金が帳消しになるのだからそうなるんだろうけどさ、
なんだか僕という商品のオークションみたいで複雑だ。
僕が養子縁組の書類を貰った二日後に知ったらしい。
十中八九、二条宮さんの仕業だ。
外堀を埋められるってこう言うことなんだなぁ......。
そう現実逃避することしか出来ないのが現状。
まだ流れを受け入れることに抵抗があるのだ。
かといって染み付いた負け犬根性は拒絶を許さない。
......自分で言ってて悲しくなった。
現状が婚約を迫られてヘタレるラノベの主人公そのものであるが、本人は気付かない。
どうしよう......。
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「はい、お弁当。」
屋上で二条宮さんに手渡される弁当。
「毎日ありがとう。いただきます。」
そういって開けると、中には色とりどりのおかずと炊き込みご飯が入っていた。
口に入れれば広がる筍の甘味と程よい味付け。
二条宮さんは何故か僕の好みを完璧に把握しているのだ。
「おいしい?」
問い掛けに脊髄反射で答える僕。
「うん。」
本当にこのお弁当ならいくらでも食べれる気がする。
蓮司は完璧に餌付けされていた。




