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葛藤


 ―――私が側に居て嫌悪感を抱かない同年代の異性って貴方しかいないの。―――


 二条宮さんの言葉が脳内で壊れたラジオのように繰り返される。


 昼休みに告げられた言葉は、蓮司の精神に暴力的なまでの動揺を与えた。


 止めとなったのは、同じく彼女の言葉。


 ―――そうね......自殺とか?―――

 僕が......自殺?


 そんなのあるわけない......とは言い切れないけど......

 今までの人生を省みて少し自信が無くなる。


 そして何となく言ったにしては、二条宮さんの言葉はどこか確信しているような響きがあった。

 確かに最近までは死んだような生活だったけどさ......ってあれ?


 だった?


 己の思考に違和感を感じて待ったをかける。


 それではまるで今の生活に希望を持っているような......

 いじめが二条宮さんの介入で減り、毎日のように二条宮さんと昼御飯を共に食べる。


 ......いつの間にかビックリするほど生活水準が上がっている気がする。おまけに健全だ。

 そして全てに二条宮さんが関わってるな......。



 何で二条宮さんはこんなに僕を気に掛けてくれるんだろう?

 さっき告白紛いの宣言を聞いたけどつい最近に養子入りを提案されているし。


 はっきりいって異常だと思う。



 そして二条宮さんは恐らく僕に好意を持ってアプローチをして来ている。

 そのくらいはラノベのスーパー難聴系主人公じゃないし、判る。



 じゃあ僕の気持ちは? と言うと......多分、二条宮さんのことは好きだと思う。

 恐らく二条宮さんがいなければ今も視界は真っ暗だった。

 時々すごく直球だけど、二条宮さんの言葉は不思議と嫌ではない。むしろ安らぐほどだ。最近は悪夢もほとんど見ない。


 

 でも二条宮さんは、

 ―――ごめんね......ただの自己満足を押し付けちゃって......。―――


 謝っていた。

 まるで何かを懺悔するかのように、許しを乞うように。


 あれが僕の気持ちに霧ををかける。疑念が浮かんで正常な思考を阻害する。

 二条宮さんの笑顔は哀れみの結果なのかと。



 僕はどうすればいいんだろう......。



 

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