2/32
目覚め
チュンチュン
鳥のさえずりの元、浮上する意識。
「ん......?」
ここは何処? 僕はマンションの屋上から飛び降りて......自殺した。
助かってしまったのか?
そんな一番望んでいない状況を想像して、恐る恐る目を開くと、
「此処、何処?」
想像もしたことすらないような清潔感のある白くて広い部屋の中に置かれた大きなベッドの上で横たわっている自分がいた。
自分を視認すると共に脳裏をよぎる、覚えのないはずの、だけどどこかしっくり来る知識。
「なに......これ?」
そこにはある少女の12歳までの記憶があった。
「私は......」
誰? と言いかけてハッとする。
僕は今、何て言った? というかなんか声が高い?
あわてて周りを見回すと、頭の動きに追従して視界の隅に映る黒くて長い、髪。
下を見れば来ているものは女の子もののパジャマ。
「僕は......」
慣れ親しんだ筈の一人称にも覚える強烈な違和感。むしろ『私』の方が言いやすいくらいだ。
何より股間の感覚が変化を物語っている。
僕は女の子になっていた。




