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二条宮さんが謎過ぎる


 二条宮さんに呼ばれた僕は、お弁当を片手に屋上へ彼女の後を歩きながら向かった。


 今の僕の心境はさながら判決を待つ被告人。

 正直に言えば、猛烈に逃げ出したい。

 しかし相手はクラスカーストの頂点、下手な真似は許されない。


 そう戦々恐々としながら屋上に着くと、すでにそこには数組のカップルがいて、他愛ないおしゃべりに興じていた。


 二条宮さんは無言で誰もいない屋上の端まで来ると、そこにあるベンチに腰を掛けた。


 「隣に座ったら?」

 

 どうしたらいいのかわからずおろおろしている僕にかけられた言葉。

 鈍くさい僕にイライラしているのかと思いきや、声色は柔らかで、怒っているわけではなさそう。


 

 しかし、僕が腰を落ち着けたのを見た二条宮さんは何と、何も言わずにお弁当を広げ、黙々と食べ始めた!!

 なんか話があるんじゃなかったの!!


 予想の斜め上の展開に困惑するが、どうしようもないので僕も簡素なお弁当を広げて黙って食べ始めた。


 

 「......。」もぐもぐ

 「......。」もぐもぐ

 「......。」もぐもぐ

 「......。」もぐもぐ


 気まずい......


 ああ、二条宮さんのお弁当、おいしそうだな~(現実逃避)

 

 カチャっと音を立てて食べ終わった二条宮さんが箸をおく。


 量的に少ないのもあって僕は食べ終わっていた。



 「ねえ。」

 「はいぃっ!!??」

 

 何!?

 二条宮さんが突然話しかけてきたので思わず声が裏返ってしまった。


 「あなた、教室でよくいじめられているよね?」

 「は、はぁ。」


 何? 全く話が見えないんだけど。というかそのことはそちらがよく知っているんじゃないの?

 そんな僕の心境も知らずに二条宮さんはさらに言葉を連ねる。


 「つらい?」

 「......。」

 答えにくい......確かにつらいけど、そういうと何だか情けない気がするし......。




 「そう。じゃあ、あなたのことを教えて?」

 



 ......どっからその言葉に行きついたの?

 

 


   

 

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