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史実への介入

 

 自分が苛められているのを観ている。

 それは不思議な気分であると同時に不快だった。



 彼はいつも静かにビクビクしていて、過去の『僕』そのものだ。


 一度、もしかしたらこの世界での『僕』は普通に生きているのかもしれないと期待していたけど......どうやら同じ状況の様だ。



 ああ......またあいつらが彼を苛めに固まって歩いている。

 そのニヤニヤしている吐き気がするような顔を見せないでほしい。

 というかとっとと事故かなんかで死んでほしい。



 「ねえ二条宮さん、一緒にお弁当食べない?」

 最近私に近寄ってくる有象無象が多い。

 この頭は優秀なはずなのにこいつらの名前だけは覚えられない。

 どうやら私の頭はこいつらをただの生物としか認識していないようだ。




 しかし外面は大事だ。

 こんなやつらでも集まれば強力な力を持つ。

 そういうわけで私は精一杯の笑顔で断る。

 「ごめんね、今日はちょっと用事があるから。」


 ヘイトさえ集まらなければ家柄もあって好感度は勝手に上がっていく。

 それよりも彼のケアをしなければならない。

 ついでに好感度も稼がなくては。



 というわけで私は迫り来るニヤニヤ達に怯えている彼に一声。

 「遠藤蓮司君だっけ? 一緒に弁当を食べない?」




 これが過去の自分とのファーストコンタクトだった。


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