表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/32

いじめ


 最悪だ......。


 あれほどバレないように気を付けていたのに......

 人間というのは恐ろしい生き物だ。

 いつの間にかプライベートを

 他人の弱みを拡散することを、あっさり行えてしまうのだから。


 僕の家の事情は入学3ヶ月目にしてあっさりばれた。

 空気になろうとしていた僕にとっては致命傷だ。

 本当に泣けてくる。


 今も静かに弁当を食べている僕を話題にしているグループがいる。


 時々こっちを指してニヤニヤしながら嗤っている。



 中学生になるといじめの性質は変わった。

 小学生のバカ丸出しないじめとは違って堂々とはしてこない。

 代わりに平常を装った陰湿な嫌がらせになった。


 

 不思議なことにこのクラスの中心的存在でありここ一番の警戒対象である二条宮絵理は、僕のことをじっと見ているだけで特になにもしてこない。時々そのきれいな顔でどこか悲痛そうに微笑んでくるだけだ。



 ......ああ、また何か言いによく僕を嗤っているグループが来た。

 さて、次はどうやり過ごそう。



 しかしそこに入る横槍。



 「遠藤蓮司君だっけ? 一緒に弁当を食べない?」

 目の前にたつクラス一の美少女、二条宮恵理。


 



 最悪の展開だ。

 しかし断ることなど論外。余計ヘイトが集まってしまう。


 「友達とは食べないの?」

 断れるわけがない。しかし少し遠慮はしておく。


 「何か問題、ある?」

 大有りだ。しかし逆らったら死ぬ。

 「ありません。」



 すると二条宮 恵理(裁判官)は満面の笑みで判決を下した。

 「じゃあ決まりね!」




 神はいなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ