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四十一話 観光⑤

「あー、向こうから行くか」


 一旦歩いて行こうとした翔太が、踵を返した。


「ん?なんで?」


「言ってみりゃわかるけど、向こうのほうがいいんだよ」


 そういわれ、とりあえず翔太についていく。


「えっとね、向こうの道は」


「姉ちゃん、それは言わない方が楽しめると思うぞ」


「確かに。じゃ、静かにしとくね」


 お姉さんが何か言おうとしたが、先は言わなかった。え、なんだろ。すごい気になる。「ねーねー……やっぱなんでもない」みたいな感じがするな。

 そのせいか、僕らの足は少し早かった。そして、奥の道へと差し掛かると。


「「「おおっ!!」」」


 僕、白撫さん、相模川さんの声が重なった。

 というより、これを見れば誰でも驚かざるを得ないだろう。いや、どちらかというと、感動かもしれない。

 歩いていく僕らの横を、沢山のクラゲが泳いで行ったのだから。


「なにこれ、すっご……」


相模川さんは口を大きく開けたまま、「はぁ〜」と感嘆を全力で表していた。

 見ると、ガラスの向こうはライトで彩られており、その光を受けてクラゲが悠々自適に水中をさまよっている。

 どのクラゲも、泳ぐと「ふよんふよん」と体を揺らしているので、なんというかすごく芸術的だ。これ、写真に撮ったらすごく綺麗なんじゃないだろうか。


 僕は「写真を撮ろう」とみんなに伝えた。すると、お姉さんがお勧めの撮影スポット––––まあ、そういうところがあったんだけど––––と言って、だいたい二百七十度くらいクラゲに囲まれているところに案内してくれた。


 スタッフを呼んでスマホを渡し、写真を撮ってもらう。


「じゃあいきますよー!2004年に絶滅したと思われたが2007年に再び発見された、別名としてホオナガバエ、ウマヅラという名前を持つ魚はー?」


 は?


「「「「ウケクチウグイー!」」」」


 は?


「はーい、それじゃあ携帯お返ししますねー」


 は?は?は?


「ありがとうございましたー!」


 ねえだれかつっこめよ!なんだよ「2004年に絶滅したと思われたが2007年に再び発見された、別名としてホオナガバエ、ウマヅラという名前を持つ魚はー?」って!!そんな掛け声聞いたことねえよ!

 それでもってなんでみんな答えられるんだよ!本当にわかんないよ!なに?僕の知識が一般より劣ってるの?違うよね!?この人たち明らかに異常だよね!?


「どうしたんだよ、そんな顔して」


「いやなんでウケクチウグイって名前を知ってんだよ」


「いや世界の常識だから」


「いや意味わかんないから」


「全く、一ノ瀬君はもっと勉強に励んでくださいね?」


「待て待ておかしいよ前提がさ」


 それから、そんな会話をしながら一度ロビーへと向かった。

 ちなみに、ホントはあの掛け声は配布されているパンフレットに載っているらしい。僕が見てないだけだったわ。

 あと、白撫さんはこんなノリもできるんだな……なんだか、いつもと違う感じ。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。


まだ今日です。

そう、まだ今日なんです。


まあそんなことはいいんですよ。


僕、水族館なんて人生で2、3回しか行ったことないですね。実際に、クラゲがキラキラしてるところなんてあるんでしょうか。あったら行ってみたいなぁ……やっぱめんどくさいんで家にいます。


じゃ、今回はここまでで。村人Bでした。

ばいばいヾ(・ω・`)

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