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四十話 観光④

 僕は水槽は近づき、翔太の隣に立ってイルカの頭の上に魚を下げてみる。すると、くいっと頭をこっちの方に向けて、喋り出した……喋り出した!?


「おうワレェ、なんや、最近頑張っとるみたいやないか」


 いやいや待て待て待て待て!?なんかおかしいって!落ち着け、僕、冷静になれ!

 こめかみに手を当てながら、息を整える。


「おう、カワイイコ連れとるやないかい。どっちが嫁や?髪の長いほうか?短いほうか?おう?おう?」


 なんっっっだこのイルカクッソめんどくさいな!まるで関西に住んでる親戚じゃないか!


「おう、どうなんやぁ?」


「いや、そういうんじゃないんで」


「なんやなんや、恥ずかしがらんでええんやぞ?あれやろ、好きなんやろ?」


 いや、ちがいますー!べっつにそんなことないですぅー!


 近くに白撫さんがいるので、声には出さない。いや、別にほんとにそんなふうには思ってない……はず。

 僕は、チラッと白撫さんのほうを盗み見る。が、どうやら声には気付いていないようだ。


「どうなんや、好きなんやろ!」


 なんだこいつまじでウザいな……


 今度は翔太の方を見る。すると、肩を震わせながら笑いを堪えているようだった。


「……お前かぁっ!」


「ひーっ、ごめんごめんって!」


 どうやら声の主は翔太だったようだ。こいつ……


「おらっ!」


 僕は手に持っている魚で翔太の頬をべちべちと叩く。


「ごめん、ごめんって!臭いからやめてくれ!」


 反省しているように見えたので、この辺でやめておく。


「……ったく、臭せえなこれ……」


「なにしてんのー?」


 僕らのやりとりを見ていた相模川さんがこっちへ歩いてきた。


「いやぁ、イルカに化けてたら魚で叩かれたわ」


「ごめん全く意味がわかんないんだけど」


「そういうこった」


 相模川さんは理解できないまま、スタッフから魚をもう一匹もらっていた。

 改めて僕もイルカに魚をあげる……ふりをして翔太をもう一回叩いておく。


「ぐえっ」


 すると、流石に待ち切れないのかイルカはその場でぱちゃぱちゃし始めた。それを見て、魚を口に入れてやる。


「おお、食べた」


 それから、スタッフからタオルとウエットティッシュをもらい、手を拭きながらイルカを眺めていた。


「おし、じゃ、次だ」


 そう言った翔太に続いて、その場を離れた。


「……おい、坊や」


 ふと声がして、振り向く。


「まどかのこと、見てやってくれな」


 また翔太か。そう思って後頭部にデコピンをする。


「いてっ!なんだよ!?」


「あれ?今喋らなかった?」


「いや喋ってねえし喋っただけでデコピンされる俺はどうなってんだよ……」


「う、ごめんごめん」


 ……なんだったんだろう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


今日は、眠いのであとがきお休みなの。

次回もよろしく。

ばいばいヾ(・ω・`)

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