第二十八話 しゅっぱつしんこー!①
「んーーー……ぅーーん……」
私は今、かなり悩んでいます。
「うーーーん……むむむむむ……むぅ」
お留守番してもらう子と、一緒に行く子。どうしましょう。
「……じーー」
しゅーさんは連れて行きたいけど大きいです……
「うー」
ひゃーくんもクマさんなので大きいです……
「……みゅうたんにしましょう」
私は、カメさんであるみゅうたんを連れて行くことにしました。でも、ここからの方が大事。私がぬいぐるみが大好きだってバレるのはなんだか恥ずかしいのでバレないように連れて行かないといけません。どうしましょう……
「窮屈かもしれないですけど、カバンに入れて行きましょう」
仕方がないですが、あとのみんなはお留守番です。
私はトランクの上にリュックを置きーートートバッグや財布などが中に入っているーーその上にみゅうたんを乗せておきました。
「おやすみなさい」
……そうは言ったものの、明日が楽しみで少し眠れませんでした。
◆
さーてさてさて!しっかり睡眠を取って忘れ物の確認、スマホとモバイルバッテリーの充電を忘れずにした僕は準備万端である!
朝ごはんは食べてから集合とのことだったので、ちょちょいと済ませてきた。
「エアコンは……ついてない、電気も消えてる、水出っぱなしとかもない!完璧だ!よし!行ってきまーす!」
なんやかんやでかなり楽しみな僕である。
「あっ」
「おっ」
ドアを開けると、そこにはインターフォンを押そうとする白撫さんがいた。
「おはようございます」
「おはよう」
今日も動きやすくということなんだろう、昨日と似た服装だ。髪も低い位置で一つに結ってある。
「目的地は同じなので一緒に行けばいいかな、と思いまして」
「確かにそうだね。もう準備はできてるの?」
僕がそう聞くと、白撫さんは腰を放って背負っているリュックを僕に見せながら、肩越しに言った。
「バッチリです!」
「はは、じゃ、行こうか」
「ですね」
僕らはガラガラとトランクを引きながら駅へ向かった。
「うわぁ……なんだこれ、めっちゃ混んでる」
ホームに入ってもいないのにすごい人だかりだ。みんな暇なんだなぁ。
「これは……何故でしょう。ゴールデンウィーク二日目なのに」
まあ、文句を言っても仕方ないんだけど、この混み様は……あとの二人もどこにいるんだか。
「……合流できるかな?っていうか電車で行くんだよね?邪魔にならないかな?」
「まあ……そこはどうにかしましょう。とりあえず、二人を探すのが先だと思います」
確かにそうだな。
「でも、どうやって探す?スマホ使えるかな……」
と、僕がポケットからスマホを取り出そうとすると、後ろから声がかかった。
「おーい良夜ー!」
その声の方を振り返ると、そこには翔太と相模川さんがいた。
翔太は特に面白みのないラフな服装。対して相模川さんは白い半袖のオフショルダーにホットパンツ、黒のニーハイだ。そして、どちらもリュックを背負っている。
「お、翔太、相模川さん。おはよう」
「おっすー」
「おあよ……ふあ……」
どうやら相模川さんは朝に弱いみたいだ。目を擦りながらあくびをしている。
「で、翔太。どうやっていくの?てかトランクは?」
「あー。タクスィーだ」
「なんだよその発音気持ち悪いな」
「やめてくれ」
こいつもテンション上がってるわ。
「じゃあ、そのタクスィーでいけるの?タクスィーで」
「……おう。二台つかまえてあるから」
「タクスィー二台か。ありがとうタクスィーつかまえてくれて。たく」
「ごめん俺が悪かったからもうタクシーって言ってくれ」
と、翔太のテンションを少し抑えたところで僕らはタクスィーへと向かった。タクスィーへと。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
た、く、すぃ、ぃーです。タクシーじゃありませんよ。




