二十話 白撫さんとお出かけー①
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財布よし!スマホよし!服装よし!リュックもよし!……あ、違う。
今朝、翔太から『リュックは合わねえから持ってくなよ』って言われたんだった。まあ、買った時に袋に入れてもらえるか。
えっと、リュックは下ろして左右のポケットに財布とスマホ。これでいいか。
玄関の壁に顔が映るくらいの小さな鏡があるので、それで自分の格好を確認する。
「ふぅむ……ま、こんなもんか」
ゼロに何をかけてもゼロだし、多少欠陥があっても大して変わんないだろ。
「今何分だろ」
ポケットからスマホを取り出し、時間を確認する。
「……もう十分前か。出てても大丈夫かな」
靴は……迷うほど選択肢がないな。遊びに行く用と学校用の二足しかない。
「よーし……行ってきまーす」
誰もいない部屋に向かってそう言い、ドアを開ける。
「うぐ、日差しつよ……」
え、なんで?なんでこんな晴れてんの?まだ五月の一日だよ?早すぎない?暑すぎない?まったく、半袖でよかったよ!
それから待つことコンマ八秒くらい。隣の部屋のドアが開いた。
「おはようございます」
白撫さんがいた。そう、白撫さんが!そして、今日は休日。つまり、どう言うことがわかるか?学校が休み……そう、今白撫さんは私服なのだ!…………いやまあ、だからどうなのって話だよね。うん、可愛いよ?可愛いけどさ……もう精神的に正常な僕の敵じゃないよね。
ちなみに、白撫さんは白シャツを……パンツだっけ?それにインしており、いい感じに胸が……なんでもない。そして、鞄を右肩から下げている……だから、なんでもないって!
「うん、おはよ」
「忘れ物とかは大丈夫ですか?」
「大丈夫、そっちは?」
「大丈夫です。では、行きましょうか」
そう言うと、僕らは自転車に乗り、デンキに向けて出発した。もちろん一列でね。
自転車だったため、途中で特に何があったわけではなかった。というよりも会話自体がなかったね。
「向こうですね」
地図を見てささっと方向を確認した白撫さんは、エスカレーターに向かって歩き出した。僕もそれに続き、書店まで歩いていく。
「ここ、ですね」
「ひろ……」
そう、めちゃめちゃ広かった。やばい。ここ、ラノベ全部揃ってるんじゃないか?
と、ラノベコーナーに目をやりながら学生コーナーへと向かう。ここに参考書やらなんやらが置いてあるはずだ。
「ここら辺がそうみたいですね」
「ほんとだ」
白撫さんが立ち止まり、左は曲がり、本棚と本棚の間を歩いていく。
「では、選びましょうか」
そう言った白撫さんは、置いてある数学の問題集をパラパラとめくっていく。うう、話しかけづらいな。
「あのー、白撫さん?」
「? どうしました?」
「選ぶ基準を教えて欲しいんだけど」
これを教えてもらうために一緒に来たのもあるからね。
「ああ、すみません。完全に失念していました」
白撫さんに選ぶ際のポイントを教えてもらい、自分でも探してみる。
「…………おっ」
あっちを見てこっちを見てと何冊か見ると、いい感じの問題集があった。
「これどうかな?」
僕は手に持っている問題集を白撫さんに見せる。すると、白撫さんは近くまで顔を寄せて覗き込んできた。
「ふむ……なるほど……」
んぐぅぅぅぅぅぅ!近いっ!
僕は真上を向いてなるべく意識しないようにする。すると、少ししたところで白撫さんが口を開いた。
「いいですね、これにしましょう。あとは参考書と、他の教科も探しましょうか」
そう言うと、白撫さんはすっと離れて後ろの本棚を見始めた。くうう、なんかいい匂いした!くっそ、なんで僕の鼻はまったくと言っていいほど詰まってないんだ!ドキドキするじゃないか!……やばいな、今頭の中を見られたら警察のお世話になりかねない。
という感じで僕は何かと戦いながら教材を選んであったのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いやあ、もう寒くなってきましたね。作中では、まだ五月ですけど。
皆さんは、問題集や参考書って買いました?……嫌な響きだなぁ。僕は、真っ白のままですね。今も。