百五十四話 風邪
おひさです。
「……………………」
ぴぴぴぴぴぴ。脇から電子音が鼓膜を揺らす。
「38.2度」
熱が出た! 普段なら『いいいいやっほうう! がっこうやすみだぜぇぃ!』となるところなんだけど、今は夏休みである。ふざけんな!
そんなわけでプール翌日、僕は1人虚しく自室の白い天井を見つめていた。
「君は何も言ってくれないんだね」
天井に向かってそう話しかける。え? 天井は話さないって? やってみなきゃわかんないよ!
「でも、僕はずっと話しかけるよ。君が言葉を返してくれるまでね」
寂しさを必死に紛らわせつつ、あれやこれやに想いを馳せる。白撫さん来てくれないかなーとか、新しいゲーム買いに行きたいなーとか、ひまだなーとか、寂しいなぁ、とか、寂しいなぁ…………
「寂しいなぁ! うごふぉえっごふぇあぅぉっ!」
声を張り上げたら咳が出た。それにしても音おかしくない?
「…………お腹すいた」
時刻は午前8時を回ったところ。何か食べたいなーと思うものの、何を作る気も出ないし冷蔵庫の中に何が入っていたかも把握できていない。
「うぁ…………」
でも風邪薬飲まないとなぁ、そう思い無理に立ち上がる。すると。
「こんにちは、白撫です。一ノ瀬君いますか?」
そんな心の底から聞きたかった声と共にノックが3回された。
「え、あ、はーい」
「こんにちは。…………お顔が赤いようですがお熱ですか?」
「なんか、風邪ひいたみたい」
「! ……じゃあ、私が看病しますね!」
そう言う白撫さんは制服を着ている。今日、僕は文化祭準備はオフだが彼女はあるのだろう。
「いや、文化祭準備は……ごほっごほ」
「いえ、一ノ瀬君を放ってはおけませんので! それにほら、もう連絡もしちゃいましたし」
でも、風邪がうつったら困るので流石に上がるわけには––––––––
「ね?」
「はい」
落ちた。
「じゃあちょっと待っててください」
「はぁい」
白撫さんはぱたぱたと小走りで外に出ていった。そして、すぐ戻ってくる。ほんとにちょっとだったな。
「その様子だと朝ごはんまだですよね?」
「うん、ちょうど今何か食べようかと……けほ」
「あ、ごめんなさい。あんまり喉に負担かけない方がいいですよね。私が何か作るので横になっていてください」
僕はその指示通り布団で寝転ぶ。立ったり座ったりをしたからか、若干眩暈がしてきた。
キッチンをみれば、ポニーテールの白撫さんがパックから何かを取り出していた。
…………喉渇いたな。
「よい、しょ……」
「? 一ノ瀬君、なにかご入用ですか?」
「うん、ちょっと、喉渇いたなって……うわっ」
突然視界が反転した。どうやら転んだらしい。
「い、一ノ瀬君……きゃっ」
それを受け止めようとしてくれた白撫さんも、耐えきれずに転ぶ。そして見事、僕が上から覆い被さる構図が完成してしまった。
「あ、ご、ごめん! けほ……すぐにどくから…………」
慌てて立ち上がろうとするも、うまく立ち上がれない。
すると、あろうことか白撫さんは僕の首に手を回した。
「そ、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。私は今一ノ瀬君の専属ナースみたいなものなので、治るまでちゃんと甘えてください」
せ、専属ナース…………!?
思わずムスコが不貞を働きそうになったので白撫さんからの軽い拘束を解いて無理やり立ち上がる。それに釣られて、白撫さんも立ち上がった。
「っと…………」
しかし、やっぱり力が入らず倒れそうになる。
「ゆっくり、ゆーっくりでいいですよ」
まさかのハグになってしまった。
白撫さんが、とん、とんと背中を優しく叩く。
「落ち着いて、ゆーっくり、ですよ」
耳が唇に触れそうなくらいの距離から囁かれる。
もうね、心臓がどっきんどっきん。治りが遅くなりそう。
「はい、座ってください」
「…………ふぅ」
「じゃあ、お水持ってきますので。じっとしていてくださいね」
その背中は、夫を介抱する新婦のようだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
やあみんな、久しぶり!
僕ですよ、村人Bです!
え、忘れちゃった? HAHAHA!…………ごめんなさい( ´ •̥ ̫ •̥ ` )
まあ、そんなことはさておき★
空気感を忘れました!白撫さんとの距離感ってどんなんだっけ?となっております!
今後は徐々に調整しつつになるとは思いますが何卒お付き合いいただければと!
さて、なぜかこの後書きのノリだけは忘れていない僕ですが、眠いのでここらで終わりです!
次回もよろしくお願いします!
それじゃ、ばいばいヾ(´・ω・`)




