第十五話 第二回補習前
「ただいま……」
と、誰もいない部屋に入る。
学校帰りにスーパーに行き、ついでに百均でノートも買ってきたので、もう時刻は5時を回っていた。
「あと三十分しかない……さっさと風呂入ろ」
さっと汗を流し、すぐに部屋着に着替える。
「ふー……あと五分か」
ちゃんと勉強すると決めたのはいいものの、今日はイマイチやる気が出ないなぁ……
なーんて考えながら、とりあえずノートと筆箱だけは机の上に出しておく。
「どーしたもんかなー……」
やる気を出さないと始まらないと思い、ネットで『やる気 出し方』を調べたが、特に今実行できるものはなさそうだった。
そんな感じでグダグダしていると、ドアフォンの電子音が聞こえてきてしまった。
「……はぁ〜い」
モニターを見ると、案の定白撫さん。
「鍵空いてると思うから入っていいよー」
『わかりました、失礼します』
モニター越しに声が聞こえ、ドアの開く音がした。
「お邪魔します」
「あ、鍵閉めちゃって」
「わかりました……自分の部屋の施錠を他人に任せるのはどうかと思いますけどね」
むむ、それもそうか……
「それだけ信用されているということになるので悪い気分はしませんけど」
白撫さんは微笑しながら言った。
「そっか。なら問題ないね」
「いえ、なくはないですけど……」
あ、そうなの。
「ま、とりあえず始めよう」
「そうですね!今日みたいにしっかり答えられるのを目標に!」
白撫さんが両手をぎゅっ、と握りしめる。うっ、可愛い気がする……気がするだけだった。フィギュアを見たらそうでもないなって思えた。危ない危ない(?)
それでも、僕はなんとなく視線をそらす。
「? どうかしましたか?」
白撫さんが、こてんと首をかしげる。僕に六億のダメージ!
「ぐっふぅん…………いや、なんでもないよ」
危ない危ない、僕の体力が八億なかったらやられてたよ。
「座って」
「はい、失礼します」
白撫さんが座ったのを確認して、僕も反対側に座る。
「さて、今日は……」
「数学やろうよ」
今はあまりやる気が出ていないので、それをごまかすために好きな教科をやりたいと思い、そう提案する。
「それでもいいんですが……理系教科は参考書や問題集があったほうがいいので、後に回した方がいいかと」
な、なるほどね〜……
「ということで、今日は英語をやりましょう」
「は、はい」
え、英語、だと…………?少しだけ、抵抗してみるか。
「で、でもさ」
「日本にいたら使わないとか、翻訳機があればいいとか、通訳さん雇うからとか以外で何かありますか?」
「ないです」
な、なぜこうも読まれている!?やっぱり白撫さんは超能力者か!?
「ほら、教科書出してください?」
「あ、ごめん」
本棚から英語の教科書を取り出し、机の上へ置く。裏返しで横に置いて、守備表示とかにもしてみちゃったりする。この意味がわかるだろうか!白撫さんが攻撃してきたところで、こいつで防御するだけなんだ!
「じゃあ、まず問題です。五つの文型、全て答えてください」
すみません、よくわかりません。
守備表示の教科書も虚しく僕が死んだ目で黙り込むと、白撫さんは息を小さく吐いた。
「最初からやった方が早そうですね?」
あふん。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
英語、理解できますか?僕はできません。
だいたい、日本に(ry
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