百四十七話 だれか
おまたせしましましましま。しま。
「あー、まぁ、その、ぼちぼち、ですね……ははは」
我ながらなんとも言えない返答だ。
「…………浮気はいかんぞ?」
「へ、へへへ」
おい待て僕、なんだその笑いは!
「…………いかんぞ?」
「………………はい」
まあ、まだ付き合ってもいないんだけどね!
「ふむ、そういうことか」
何かはわからないけど何かに納得した優純さんは、僕の肩を叩いた。
「自分に正直になりなさい。他人はどうだっていいんだから」
…………あれ?もしかして、心読まれた?
「ではな」
「……あ、はい」
…………はぁ。
「…………つかれた〜〜!」
「お疲れ様です」
「うん、白撫さんも」
あらかたの準備が終わり、夕陽が差す教室でぐったりしている僕と白撫さん。僕らの間には朝のぎこちなさも完全に消え、なんの滞りもなく話ができていた。
「さて、と…………そろそろ、帰りましょうか」
「そうだね」
一応、大体の道具を片付けておく。
「そういえば、あしたは休みなんだっけ?」
「はい、皆さんの都合が合わないということで」
「了解」
で、そのあとは……
「教室の方の準備が終わったら、一旦全部片付けるんだよね?たしか、授業の邪魔になるとかで」
「はい。前日に飾り付けなどをする時間がもらえるはずなので、問題はありませんが」
「じゃあ、これからは何したらいいんだろ?」
「…………練習です」
練習?なんの練習だろう?
「その、ウェイトレスとしての練習、連携とか」
「とか?」
「そ、その、も……もえ……」
「僕が悪いもう言わないで」
しばらく"もえ"は日本全国で禁止しよう。
「…………帰ろう」
「………………はい」
お通夜みたいな雰囲気になっちゃったよ。
「…………………………」
「ん?誰かいる?」
「はい?」
「いや、そこに誰かいた気がして」
「気のせいでは?」
白撫さんがいうならそうなのかな。
「そっか」
「はい、帰りましょう」




