百四十五話 そのご
「…………すみません、本当にごめんなさい」
朝、いつのまにか自室へ戻っていた白撫さんにいきなり謝られた。
「あ、うん、大丈夫だよ……」
いろいろ危なかったけどね!主に腕が動かなくなる寸前だったかな。笑えねえ。まあ、腕一本で白撫さんの安らかな寝顔が見られるなら、それで……
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
「だ、大丈夫だって」
あーこれだめじゃん。ごめんなさいしか言えないロボットになってるよ、朝になっても繰り返しそう。なんで返すのが正解だろうか。
「えーっと…………いろいろ役得だったから、大丈夫、ありがとう!」
ん?間違えたねこれ?
「…………は、はぃ……」
白撫さんは今度は顔を赤くしながら、俯いてしまった。
「…………じゃ、じゃあ、そういうことで」
「はぃ…………」
僕らは一度部屋に戻り、再び集まって校舎へ。なんとかぎこちない空気は収まり、普通に話すことはできた。
「なんだか物が増えてきましたね」
「面白そうなのばっかりだね」
廊下や教室の窓から見えるセットなどを眺めながら、そんなことを言う。
そういえば、白撫さんは文化祭、誰と回るんだろう。やっぱり相模川さんかな?
「あ、先に誰か来ているみたいですね……」
「ほんとだ、翔太と相模川さん?」
「なぁ未亜」
「んー?なにー?」
…………ん?いつもとなんか違くない?
「文化祭いっしょにまわろうぜ」
「おっけー……あ、まどかはどうしようかな」
「あー、良夜とまわるんじゃね?」
「なら、二人っきりだ」
(…………白撫さん白撫さん)
(……はい)
(なんかピンク色じゃない?)
(わかります、もしかして……)
ここで、翔太の口から衝撃の事実が飛び出した。
「おう、堂々とデートだな」
「や、やめろい!恥ずかしいぞ!」
(……………………白撫さん、回れ右)
(はい!)
そうして、離れようとしたところで、第二の爆弾が投下された。
「そういや、あの二人はいつくっつくんだ?」
「あー、まどかと良夜?」
(……………………んんんん!)
(…………んぅ…………!)
まてやお前ら、なぜその話題をこのタイミングで?もしかしてこっち気づいてる?
「ま、気長に待つか」
「だねー」
僕らはまたなんともいえない空気になりつつ、その場を離れた。




