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百四十一話 試着

 数日経った、ある日。


「りょーくん、今日少し時間もらっていい?衣装が完成したんだ!一回見てもらいたいのと、男の子用の試着お願いしたくて!」


 そう、小鳥遊さんから言われた。


「あ、おっけー。じゃあ、とりあえず他にも数人連れて行こうか」

「あ…………うん、そうだね!」


 ということで、いつもの六人で。っていうか、最近春原君影薄く無い……?


「じゃーん!」

「翔太、どう?」

「あ、あの、恥ずかしいのですが……」


 更衣室から出てきた三人が各々の反応を見せる。

 三人ともメイド服という同じ衣装ではあるもののどこか違うような雰囲気が出ている。

 白のカチューシャはさらさらした髪の見栄えをもっと良くし、制服よりほんの少しだけ開いているような胸元はやや目のやりづらさを感じさせた。程よく短いスカートはどこか扇情的ではあるものの白撫さんの穿くタイツはそれをかき消すような清楚さを醸し出していた。一方で小鳥遊さんはニーソを履いており、スカートの裾と二―ハイの間、いわゆる絶対領域はこれぞメイドというような雰囲気だ。最後に相模川さんの、小鳥遊さんよりも短めの白ニーソは一風変わったメイド像を感じさせる。

 って僕は何を分析してるんだろう。


「かわいいでしょー?」

「三人とも似合ってんなー」

「で、では、私はこれで……」

「ねーりょーくん、どーお?」


 白撫さんが顔を真っ赤にしながら更衣室に戻ろうとしたところで、小鳥遊さんが僕の左腕に抱きついた。


「かわいい?かわいい?」

「あ、えっと、うん、かわいい……よ」

「…………っ!」

「えへへ、ありがとー!」


 恥ずかしくなって目を逸らすと––––おおっと?


「どうよ、どうよ?」

「うん、似合ってるな、かわいい」

「ッッ!……あ、ありがと」


 相模川さんが照れている!


「よし、写真撮っとくか」

「そ、それはダメ!」

「もう遅いぜ!」


 ––––シャシャシャシャシャシャシャ!

 その場にシャッター音が鳴り響く。いささか撮りすぎな気もするけどね。


「大丈夫、白撫さんも似合ってる」

「…………ありがとうございます」


 春原君が、白撫さんに言う。


「じゃ、男子の衣装もあるから着替えてねー」


 そう言われ、男子更衣室へ。


「わー、陽キャが着そう」

「翔太だって陽キャでしょうよ」

「隠ではねえかなあ。しかしまあ悠人はうまく着こなしそうだよな」

「撮影で着たことくらいはある」


 そう軽く言った彼だったが、身に付けると想像を遥かに上回って似合っていた。ビシッて感じ。


「「「おお…………おぉ?」」」


 外に出ると、三人が同時に息を漏らした。いや、待ってほしい。僕のところに視線が集まった瞬間疑問形になるのやめてくれ。


「良夜、仕方ないよ。人には向き不向きがあるんだ」と、相模川さんに言われた。

 うっさいな似合ってませんよ知ってますよ!


「じゃ、じゃあ、感想を教えてほしいなー!」


 小鳥遊さん、目が泳いでるのごまかせないからね?

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