表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/169

百三十四話 ぷひゅっ。え?

「え…………?」

「あ、いや、ちがくて」


 ちょ、まって?違う、違うんです。


「……………………じゃ、いこっか」

「おう…………いや、いやいやいやいや」


 引っ掛からなかった……


「今、なんつった?」

「……や、なにも」

「…………まあ、そうならいいんだが」


 そう、なんにも…………なしに終わらせていいの?

 冷静に考えて、私。


 ………………よし。


「来て」

「うおっ」


 翔太の手を引いて、歩き出す。そのまま外へ出て、人のいないところへ。


「えっと……」


 ここで止まると、ずっと言えない。多分、言わなくてよかったなんて、思うことになるんだろう。今言わなければ、仕事に、お嬢様の、まどかのそばにいることに、彼女の世話に一生懸命になるんだろう。もしかしたら、別の人を好きになるかもしれない。でも、今そうはしたくないから。だから、今。


「翔太」

「…………」


 一度、誰か周りにいないか確認してから。


「……………………好きです」

「ぷひゅっ」


 んっ?


「ちょ、タンマ……」


 えっ?


「や、まじごめんって。でもな、これは不可抗力だから」


 翔太がその場に蹲る。


「え、と……」

「ホントすまん。すまんけど、分かってくれ。あとティッシュ持ってる?」

「も、持ってるけど……」


 彼の鼻から、いきなり血が吹き出したのだ。


「ど、どうしたの?持病?」

「違うと思う」

「え、じゃあなんで?」

「や、その…………」


 鼻にティッシュを詰めて、不格好な面持ちで、言った。


「やぁ、お前が可愛すぎたわ」

「…………なにそれ」


 笑いは、堪えられなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ