百十九話 せんにゅー④
みかじし。
「………………」
「……」
僕がニマニマしていたことに気づいた白撫さんの顔からは生気が抜け、虚無と化していた。
「えっ、と……」
「………………」
「か、かわいかった、よ?」
「……ええ、いいんです。同情はいりませんよ…………」
「い、いや、ちゃんとかわいかったから!」
僕は少し大きな声で言ってしまい、はっとする。
「そ、そうですか……あ、ありがとうございます」
「あ、うん…………」
めちゃくちゃ気まずくなってしまった。
「えっと、ご主人様……も、よろしいですか?」
え?この流れで僕にもやれって?さては貴様バカだな?
「あ、いや、僕は」
「やりましょう」
「え?」
「やるべきです」
「いや」
「やらざるを得ません」
「ぇぇ……」
「やりなさい」
「はい」
なぜか鬼の形相で迫る白撫さんに気圧されてしまった。
「あ、ハートとか『だいすき』とかは無しでお願いしますね」
「りょ、了解しました!」
怖いんだってぇ……
結局、オムライスにはネコが描かれた。かわいい。
「せーの」
いやだぁ、死にたくなぁい!
「おいしくなぁれ、もえもえきゅん♡」
「もえもえきゅん(虚無)」
なんでクラスメイトに見られながらもえもえきゅんしてんだよ、僕。




