百十六話 せんにゅー
みじみじ。
「な、なんか緊張するね」
「はい……」
炎天下の中、男女二人でメイド喫茶。どんなシチュエーションだよ。
「…………ここか」
ひなちゃんせんせーに手渡された地図に示されていた場所『メイドインメイド』か。
特段変わったような外装は全くない。
「とりあえず、入ってみましょう」
「う、うん」
カランカラン、と音を立てて中へ。
「おかえりなさいませ、ご主人様、お嬢様!」
なんとも可愛らしいメイドさんがっ……!
「あら、ありがとう」
ん?え?あ、そうだ、白撫さん、お嬢様なんだった。
「こちらへどうぞ!」
少し前を歩く白撫さんはお嬢様そのものだった。ほら、お客さんもメイドさんより白撫さんみてるし、メイドさんからの注目も集めちゃってるよ。
「こちらでお待ちくださ……きゃっ!」
忙しなく動き回るメイドさん達が、ぶつかってしまった、その瞬間。
「ほっ」
座ろうとしていた白撫さんが、抱くようにして倒れそうになるメイドさんを受け止めた。
「…………も、申し訳ございません!」
「いえ、大丈夫。怪我は?」
「あっ……とぅんく…………あ、ありません!ありがとうございます!で、ではご注文をどうぞ!」
うーむ、メイドたらしな白撫さん……やっぱり、専属のメイドさんとかいるのかな?相模川さんはなんか違うしなぁ……




