百十五話 ひなちゃんせんせー
「あぁっづ……」
「はい、本当に……」
ということで、翌日。僕らは太陽が気張る中、数週ぶりに校舎にやってきた。が、中は蒸し暑い。エアコンつけてエアコン!
いや、むしろ太陽には感謝かもしれない!
「うぅ……べたべた……」
久しぶりの半袖制服白撫さんっ!
いや、別にやましい気持ちもないしやらしい目で見てもいないよ、信じて?そりゃたまたま汗に濡れるうなじが見えたり?胸の辺りをパタパタする仕草になんかこう、グッと来たりするけど?そうじゃないから!
まあそれはそれとして、早く職員室に行きたい所存だ。そんな僕たちは、早足で職員室へ向かった。
「「失礼します」」
「あ、来ましたね」
中で、ひなちゃんせんせーが迎えてくれた。
「じゃあ、こっちにどうぞー!」
とてとて、と歩いて行く先生について向かったのは職員室の隅にある小さな机。
「じゃ、座ってもらって」
「はい、失礼します」
さすが白撫さん、ビシッとしてる。僕も倣おう。
「で、これです!見て見て、見てくださいこれ!随分前の写真が出てきたんです!」
そういった先生が手に持っているアルバムには、何枚もの写真が保存してあった。
「こんな感じなんですね」
どうやらメイド喫茶だけでなく普通の喫茶店でも働いていたことがあるようで、複数の喫茶店の内装が撮られていた。
「あ、これとかいいかも」
僕が目をつけたのは、白髪白髭のシヴイマスターがいそうなもの。椅子やテーブルも木で統一されていて、どこか落ち着く。
「でも、メイドにこれは合わないなぁ……」
「でもでも、執事には合うんじゃないですか!?」
少しテンションの上がっている白撫さんがアルバムを先生から貰いながら言った。
「あ、メイドならこっちですかね?」
次のページに行くと、それっぽいのがたくさん。
「…………あれ、これせんせーでは?」
「あっ」
「本当ですね、可愛らしい」
「ちょ、返してくださいっ!」
「すみませんが、まだ見ているので!」
おお、珍しく白撫さんが先生をいじってる!いけいけ!もっといけ!
「成績下げちゃいますよ!」
「すみません」
呆気ないっ!
あっさりアルバムを返してもらってひなちゃんせんせーは、警戒心剥き出しでそれを胸に抱いた。
「でも、見せてもらわないと参考にできないですよね」
「うぅ……」
もう一度強奪。
「うーん……」
それにしても、これだけだとしっかりしたイメージにはならないか。
「やっぱり、写真じゃダメですかね?じゃあ、実際に行きましょう!あ、私はお仕事があるので二人でどうぞ!課外活動ということで、経費で落としておくので!」
そんなことを言われてしまった。




