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百三話 でーと!③

「次はどうする?」


 何も言われず何をするかも知らされなかった今日は白撫さんに委ねるしかない。


「とりあえずゲームセンターへ!」

「了解!」


 白撫さんの一言で、ゲームセンターへ入場。


「あれです!」


 そう言った彼女が指さしたのは、プリクラ。


「え……あれ?」

「はい!行きましょう!」


 ちょっと抵抗があるけど……仕方ないか。


「わかった」


 普段近づくことのない領域へ一歩踏み出す。

 違いがわからないので適当なものの中へ入る。


「おお……!?」


 正面に画面がある。が、もうわからない。


「ど、どうするの?」

「お金、ですかね?」


 画面にそう書いてあったわ。


 とりあえずお金を入れ、よくわからんので安全そうなモードを選択。すると、女声が聞こえてきたので、その通りに動く。


「ほら一ノ瀬君、もっとよって!」

「あ、うん」


 白撫さんはぴったり僕にくっついてくる。なるほどね?


「つ、次です!」


 どうやら何枚か撮れるらしく、白撫さんは慌ただしく動き出す。


「え、えっと、えっと!」

「お、落ち着いて?」


 カシャ、とシャッター音がなった。


「あ゛っ!」


 どんな表情が撮れたんだろう?すごく気になる。

 それから何枚か撮って、次は写真に文字を書くらしい。


「ここは私に任せてください!」


 何故か自信満々な白撫さんに任せる。


「こうして、こうして……」


 楽しそうな白撫さんの横顔を見つつ、画面にも目をやる。


「ええ?」


 一番最初に撮った写真に、ピンクのペンで僕と白撫さんを囲むようにハートが描かれていた。


「あ、これ」

「え、ちょ、みちゃダメです!」


 画面に出てきた写真は、白撫さんが取り乱しているところ。


「僕にもなんか描かせてよ」


 そう言って、灰色で白撫さんに髭を描いてやる。


「だめっ!」


 あれ?なんかこれかわいいな。っていうか、顔全然違くない?


「あはは、おもしろ」

「…………えい」

「あっ!?」


 僕の顔にも落書きされてしまった。


「よっ」

「んっ」

「そい」

「えい」


 交代で、お互いの顔に落書きをかましていく。出来上がったのは、シワだらけになった僕らの顔だった。


「なんだこれ」


 そうして、一枚だけふざけたような写真が出来上がったのだった。




「あ、これかわいい」


 ふと、私はそうこぼしてしまった。目の前には、クレーンゲームに囚われたくまのぬいぐるみが。


「取ってやるよ」

「ほんと?やったー!」


 なんというか、久しぶり……本当に久しぶりに、本音をこぼしたかもしれない。意図的に言うことはあっても、無意識で喋ったことなんてなかったから。


「くっ……!こいつ、できる!」

「何言ってんの」


 翔太は、何回かプレイしてそんなことを言った。


「……大丈夫?」

「全然!次で決めてやるぜ!」


 案の定、決まらず。


「くっ……ここで!」


 まあ、ここでもなく。


「…………もういいよ、次行こ?」

「いいやとるね!俺は取るまでここを離れんぞ!」


 こいつ、バカなんじゃないだろうか。


「はぁ……」


 それから、いくらかかけて。


「おおっしゃぁぁぁぁ!どうだっ!」


 そういった彼は、私にぬいぐるみを手渡してくれた。


「ありがと!」

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