第十話 第一回補習ーその後
みなさんお久しぶりです、村人Bです。
今までなかなか時間が取れず(鼻骨折したり、テストだったり)投稿ができずにいましたが、これからはしっかりとやっていきますのでよろしくお願いします。
「うわぁぁぁぁーー!なんだったんだよさっきの!?え?なにっ!?いきなりなにしたの?」
ベッドにダイブして、枕に向かって動揺の限りを尽くす。
「ってか、え、補習のたびにあんなことされんの!?死ぬ!持たんわ!」
足をバタバタさせながら、ベッドを叩く。
目を閉じると鮮明にフラッシュバックしてくる、白撫さんの笑顔。
「ど、どうする、僕!?そうだ、まずは翔太に連絡して……いや待て、他の男子に知れ渡ったら僕の命が危ない!」
くっ、どうする……そもそも、相談したところで僕のメンタルがどうこうなるわけでもないし、メリットが見当たらない!でも、ほかに対処が分からないし……ああもう!今までロクに女子と喋ってこなかったツケがここで回ってきた!
「…………ふぅ」
それから30分ほど頭をフル回転させ、僕の生存方法を考えたものの、特に何も浮かばなかったため歯磨きして寝ることにした。
がしかし、寝れるはずもなく、僕は一晩笑顔に苦しめられたのだった。いやぁ、笑顔って怖い。
◆
「ふぅ……」
まさか、あの一ノ瀬君があそこまで集中して勉強できるなんて……正直、予想外すぎる。
私は、あの真剣な横顔を見て、もしかしたら自分は必要ないのかもしれないと思ってしまった。
「それが、明日からも続くのかっていうところが心配なのだけれど……大丈夫でしょうか」
机の上に置かれた白い紙の箱を見つめながら、ため息を吐く。
「……お腹が空きましたね……」
箱の中には、ケーキが入っている。その箱を見るだけでなんだか甘い匂いが鼻腔をくすぐるような気がするし、自然と手が伸びてしまう。
「……はっ」
あと少しで届いたその手を引っ込め、時計に目をやる。
「十時半……」
こんな時間に食べてしまうと太るのは目に見えている。見えているのだけれど……
「す、少しだけ、すこしだけなら大丈夫ですよね?あ、ちゃんと運動もしますから」
私は、誰がみているわけでもないのに言い訳を連発していると、いつのまにか白い箱が開いていた。おそらく、自分で開けたのだろう。その箱から、モンブランがこちらを覗いている。
「わ、私がケーキを覗く時、ケーキもまたこちらを覗いている……」
と、意味のわからないことを言いながらモンブランを取り出してお皿に乗せ、食べる前に冷蔵庫にしまう。そうしないと、食べ終わった後にもう一つ食べてしまいそうだから。
「いただきます」
再び机に戻り、「いただきます」と言ってプラスチックのフォークを手に取る。
まずはてっぺんの栗を食べる。私は、栗も、ショートケーキの苺も、先に食べてしまう方だ。
「んっ……はむはむ……」
ゆっくりと時間をかけて食べた。
「……ごちそうさまでした」
私は食べ終わったお皿を見つめながら手を合わせた……べ、別に、もっと食べたいだなんて思ってないですからね!
「さて、と」
私は歯磨きをして、お風呂に入る。ただし、お湯は張っていない。浸かったまま寝てしまったりしたら大変なことになってしまうかもしれないから。
それから、ドライヤーで髪を乾かし、布団に潜る。
夜更かしすると肌が荒れてしまうから、早く寝ないと。手遅れかもしれないけれど。
「……おやすみ、みんな」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
笑顔って、凶器ですよね。