優しい人
だいぶ期間が空いてしまった...
「う、あ....」
私、賀川千春は、うなされた声で目を覚ました。
声のする方へ行くと、真くんがうなされていた。多分、お姉ちゃんの夢でも見てるんだと思う。
...真くん。何でそこまで私たち姉妹のことを思ってくれてるのかなぁ...。私は分かってるよ。私を避けようとしていたのも、私が過去に起こしたことで、みんなが私を責めないようにしてるんでしょ?
もう無理しなくていいのに。ありがとう。真くん。
そう言葉を残し、私は階段を降りた。
...恩返しくらいしないとね。
「...ん」
目が覚めると朝だった。結局寝れてよかった。課題クリアだ。と思ったが、すぐ別の課題がある事に気づいた。
現在時刻午前7時半。遅刻です。課題、急いで準備しろ。
「...朝食いいや」
と、着替えるために下に行くと、
「おはよう!」
「ナズェイルンデェス!?」
オン〇ゥル語が出た。
「何でいるって言われてもね〜...。昨日停めてくれたじゃん」
昨日のあれ夢じゃなかったんだ...。正直ダルい。
「って何うちの台所で勝手に飯作ってんだ?許可してないぞ」
「だって真くん寝てたんだもん。許可得るも何も無いよ」
トラップかなんか作っとくべきだったと思った。いや流石にそりゃないか。
「てか早急に去れ。とっとと学校行きたいんだよ」
「ご飯作っちゃった」
「勝手に作るな」
「味噌汁作った」
「飯食って支度して速攻学校行くぞ」
「変わり身早いよ...」
「なんとでも言え」
知るかもう。飯食う。そんで学校行く。
俺は味噌汁が好きなのでこれには抗えなかった。
「真くんって優しいよね」
食事中、賀川が突然そんなことを言い出した。
「何でだ?」
「だってあーだこーだ言っても最終的に優しくしてくれるな〜って思って」
「...別に優しくなんてねーよ」
そう、別に優しくなんてない。こいつには、ただあの人の妹だからという感情しかないのだ。...そう信じたい。
そうして、朝食を食べ終わったあと、俺たちは学校へ向かった。時刻は8時を回ってたので、完全遅刻だったが。