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説話59 元魔将軍は依頼報酬を清算する

 シャドウン侯爵夫妻はしきりと食事とか勧めてくるけどお断りしたよ。


 だって、することは終わったし、ドラゴンの肝もちゃんと渡したし、依頼完了だね!


 そうそう、ドラゴンの肝を入れるのに異空間のカバンを一つ作ってあげたんだよ。シャドウン侯爵は大喜びでレイヤルドさんにボクへ追加報酬を申し渡したんだって。別にいらないのに気遣いさんだね。



 イザベラ? 本当に使えないペットだよ。ご飯と聞いてここに残りたがっていたね。


 茶菓子をあんだけお代わりしておいてさあ、まだ食べるつもりだったんだ。またダンジョンへ運動しに連れて行っちゃうよ?



 そんなわけで今は綺麗になった冒険者ギルドに帰ってきた。


 さすがに臭い空気の中で働くことを嫌がったのか、レイヤルドさんが指令しなくても職員さんたちはあっという間に片づけたらしいよ。



「サンダードラゴンの肝の依頼は白金貨五百枚、ダンジョン踏破が白金貨一万枚、侯爵様の申し付けは追加報酬で白金貨百枚だ。

 これだけで白金貨一万と六百枚だけど、ダンジョンコアがいくらつくかがわからない。

 白金貨一万枚か、はたまた白金貨十万枚か、わしらの長老たちと相談してみないと何とも言えん」


「ダンジョンコアの報酬はいらないよ? それは()()()ね」


 今は地下でレイヤルドさんと話し合ってる。


 ダンジョンコアはすでに冒険者ギルドへ引き渡してるのさ。あんな中途半端なものを持ったってしょうがないでしょう。


 エルフさんは魔力こそボクには遥かに劣るけど、エルフさんが連携して作った共通の異空間があるだって。



 すごいね、それを参考して是非ガルスに作ってもらいたい。


 共通の倉庫があれば魔王軍の継戦能力が一気に跳ね上がるんだ、なんせ弾切れを気にせずに戦えるんだからね。でもね、すでに向かうところ敵なしの魔王軍はだれと戦えばいいのでしょうか。


 まっ、備えあれば嬉しだし。いいか。



「……本当に無償でダンジョンコアをもらえるのかね?」


「あげるよ? もっといいのをボクはまだ持ってるからね」


「礼を言う。あれだけ大きい魔晶があれば、我らエルフは助かる」


「そう、それは良かったね」


 その後は報酬の話になったのだが、イザベラはボクの名義でいいって鷹揚に言ったけど、ペットはボクがダンジョンボスを説得してる間に失神しかしてなかったのよね。


 いや別にボクも報酬はいらないよ? だけどそのさも本当は自分がしましたけど、しょうがないからあげるねって態度ってどうだろう? 人間としてそれはいかがかなと思ったのよね。


 まあ、ボクは魔族だけどさ。



 所属するギルドに入る報奨金の釣り合いもあるし、結局レイヤルドさんの提案で、ボクとイザベラがそれぞれ半分ということで報酬のことは決着がついた。


 少しはパペッポ村出張所に貢献ができてボクも嬉しいね。ナタリーさんはよく褒めてくれたから。


 え? 金額はいくらかって? 数えてないから知らないよ。



 そういうことで迷宮都市にいるのはもう飽きた。


 最深層まで行ったし、ダンジョンボスをすり替えたし、ここにいたってすることないね。


 ペットを連れてどこかへうろうろしようかなと思ったときに、その話は冒険者ギルドの酒場でボクの耳に飛び込んできたんだ。


 アールバッツたちがクラン・デなんちゃらに捕まっているという話を。



お疲れさまでした。

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