表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/188

説話53 元魔将軍は約束する

「ま、待てくれ……スルト、いや、アーウェ・スルト。

 頼むから魔力で押さないでくれ……」


 しまった。レイヤルドさんがいることを忘れちゃったよ。てへ



「ふぅ……これでわかったろう? ルメクール。なぜ先祖が逃げ出したわけが。

 スルトの話を信用するしないは別として、この化け物相手にわしらエルフがどうこうできる話じゃない」


 ルメクールくんはビクビクと身体が震えているだけ。


 そんなに魔力を出したつもりはないんだけどなあ。それにしてもレイヤルドさんはひどいや、ボクのことを化け物なんて言ってくれちゃって。


 ――褒めてくれてありがとうね。



「別にウソはいってないけどなあ。

 というかウソを言う必要がないんだよね、やろうと思えばいつでもやれるからねボクは」


 おっと、二人がボクの言葉にビクついているみたい。


 脅しになっちゃったね。めんごめんご。これは聖女ショウコが教えてくれたんだ、なんでも死語らしいけど。死の語って、怖いね。呪詛なのかな? ボクにはそんなの効かないけどね。



「て、てめえの話が本当なら、おれたちはいつでも先祖の森に帰れるってのか?」


「帰れるよ? いきなり失踪したからボクもびっくりしちゃったから、エルフさんの住まいに保存の魔法をかけたんだ。

 今でもそのままと思うよ?」


「てめえの言葉をどうやって信用しろってんだよ」


「あなたもたいがいしつこいね。

 じゃ聞くけど、ウソつきの魔族って聞いたことあるの? ボクたち魔族はウソをつかないよ? そんな必要がまったくないからね。

 ボクたちは()ると言ったら必ず()るのよねえ」


 二人のエルフがボクを見ている、ボクに穴が開きしそうくらいに見ている。



 うーん、ここはサービスしておっちゃらけの顔でもしたほうがいいかな? そうだ、聖女のフクナガは睨めっこの遊びをいつもしてくれたんだ。この人たちもそれがしたいんだね!


 いや、それはないな。


 フクナガを知ってるのはボクだけだし、あの人は僕以外のこの世界の人が大っ嫌いって言ってた。刺したときの信じられないって顔がボクには悲しかったんだ。


 ――フクナガあ、幸せになってねええ!



「……申し訳ない。どうやらわしらの先祖たちの勘違いだったようだ」


「すまねえ! 色々と失礼な態度を取った。悪い!」


 おや? 二人が謝ってきたよ? いやだな、そうな態度を取られるとボクも悪かったって思えてきたじゃないか。


 まあ、実際にあの時は説明不足だったんだろうね。


 それならサービスしちゃうよ。



「ボクはねえ、魔王軍を追放されちゃったんだ。

 でもね、伝手があるからきみたちが無事に帰れるように保証してあげるよ」


「むむ? 追放ってなんだ?」


「伝手? 保証?」


 はい、手に取るは魔道具のケイタイ。連絡するのはこの人。



「もしもし、オレオレ」


『む、オレオレサギは間に合っている。ケイサツ呼ぶからそこで待っていろ。』


 あはははは。ガルスも人がいいねえ、ちゃんと乗ってくれるもんね。



お疲れさまでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ