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説話18 元魔将軍は冒険者ギルドを教わる

「いいか、坊主。今から冒険者ギルドの規則をザクっとに説明してやるからよく聞け」


「うん。それはいいですけどボクの名前はスルト、ボウズという名前じゃないよ?」


「はははは、すまんすまん。そいつあ、おれが悪かった。ぼう……いや、スルトも立派な冒険者だ、ちゃんと名前を言ってやらないとな。許してくれるか?」


「はい、かまいませんよ。冒険者ギルドの規則を教えて下さい」


「おう、まずは冒険者ギルドを説明する。冒険者ギルドは大なり小なりどこの街にでもある。村なら出張所だが町以上は全部が冒険者ギルド、冠にそこの地名が付く。だが人が少ない集落には冒険者ギルドはない、需要が少ないからな」


「はい」


「どの国にも冒険者ギルドの本部がある。カラオス王国なら王都のカラオベルクにカラオス王国冒険者ギルド本部を構えて、そこで国内の冒険者ギルドの事務を統括したり、国から依頼を受けたりしているんだ。ここまではいいか?」


「はい、大丈夫です」


「もっとも冒険者ギルドってのは自治性が高いんだ。その地方のことはその地方にある冒険者ギルドに一任しているし、主要の大きいギルドじゃない限り、ギルド長もそこに住んでる人から選ばれることが多い、おれのようにな。というのも地方の需要をしっかり把握しないと、一般の依頼主からの依頼を受けられない。言い方は悪いが、おれたちギルドのもんは冒険者の上前を撥ねるようなもんだからな、はははは」


「なるほどですね、よくわかります」


「オッホン……まあ、上前を撥ねると言ってもそれは実質、冒険者ギルドの運営費だから気にするな。そこでだ、冒険者ギルドになんの利益があると言ったら、所属している冒険者が依頼を達成すると、依頼を受けた冒険者ギルドと所属する冒険者ギルドにそれぞれ報奨金は入って来る」


「へえ、そうなのですか」


「例えばだ、スルトが大銅貨1枚の薬草採集依頼を達成するとスルトに支払われる報酬は銅貨8枚。違う冒険者ギルドで受けてるならそこには報奨金で銅貨1枚が入って、うちにも報奨金銅貨1枚が入って来る。依頼を受けると、所属する冒険者ギルドが同じ所ならそこには報奨金銅貨2枚だ」


「そういう仕組みですね」


「そうだ。だからどこの冒険者ギルドも有能な冒険者を探し回ってるし、有能な冒険者は所属させようと躍起になってる。うちもな、スルトみたいな有望な冒険者が所属してくれて嬉しいぜ。ガンガン稼いでくれよ? はははは。というのは冗談だ、命を大切に細長くていいから長生きしてくれ」


「うん、わかりました」




 ウェリアルさんは親切な人間。


 ボクのことを本当に心配そうに見ていて、何度も無理は絶対にするなと念を押してくるんだ。いい人間もいるもんだね、カナヤマのように。あいつはボクがイノシシに跳ね飛ばされたとき、泣きながら極大回復魔法をかけてきた。


 まあ、カナヤマの魔法は欠損が治せないので、ボクから見れば児戯みたいなもんだけど、その気持ちが本当にうれしかったよ。



 それはそうと冒険者になるにはカードを作らねばならないらしいから、今から血を一滴を垂らすとボクもそれで冒険者。歴代の勇者たちやカナヤマが教えてくれた通りだね、これがラノベのテンプレというやつだよね。


 カナヤマ、きみも冒険者になりたいって言ったけど、ボクはこれから人間の国で冒険者になるよ。


 羨ましいか、えへへ。きみは期末テストってやつを頑張ってね。



お疲れさまでした。

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