表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

161/188

閑話7 魔王軍最高幹部は雄々しく立つ

 今日は年に一度の魔王軍による南西方面軍の最精鋭による演習。


 ワテは魔王様に(強制的に)連れられて、いまは野戦演習場に来ている。だから本日は慣例の魔王城の清掃はお休みだ。


 しかしいつも思うけどさあ、魔王軍は世界最強なんだから誰と戦うのだろうか? だがそれは魔王様が考えることであって、ワテが口を出すことじゃないな。うん。



 いつもお菓子を持って子供たちに分け与えているやけど、今日はできないから子供たちが悲しんでいなかったいいんやけどなあ。



 それにしても魔王様? そのだだ漏れの魔力をどうにかしてもらえませんか? いまにもワテ死にそうなんですけど。いやマジで、いやいやマジで。




『突入じゃあ。ワハハハハ!』


 魔王様の見守る中、ギガンテスさんたちは大金槌を持って勝手に飛び出しらよ。まあ、魔王様がみているからあ? 見せたい気持ちはわかるけどさあ、ちゃうのよなあ……


 まあ、ワテが口出すことじゃないけど、それじゃアダマンタイトゴーレムさんたちの進路を遮っちゃうのよなあ…… ワテが口出すことじゃないけどなあ。



『いくよみんな』


 ダークエンシェントドラゴンのヌエベルさんが配下のアークドラゴンさんを率いて、突入しちゃってるけどギガンテスさんたちと衝突しちゃうよ? フレンドリーファイアってやつになっちゃうよなそれじゃ。


 フレンドリーファイアはアーウェ・スルト様に教えてもらった言葉や。あのお方は物知りだから色々と教えてくれたんや。



『シャーっ!』


 ――あ。ヒュードラさんたちが火を噴きながら飛び出してきたよ。アカン、ギガンテスさんをこんがりと焼いちゃうよそれ。


 エクス・ポーションを出さなくちゃ、怪我人が続出や。



 ケンタウロスさんたちとユニコーンに跨ったヴァルキリーさんたちは横で冷静というか、冷笑というか、まるで他人事のように見てるだけやし、セイレーンちゃんたちとベヒーモスさんたちはなぜか寝てるし、アラクネなんて演習とは全然関係のないドレスとかを編んでるよ。


 皆様は好き放題やってるけど、なんか違うよなあ……



 あ、ヒュードラさんとギガンテスが仲間割れで戦いだしたんや。


 ケンタウロスさんとヴァルキリーさんもそれを見てゲラゲラと笑い出したよ。魔王様はニコニコしてるけど、違うのよなあ……


 違うんだ! こんなのは軍とは言わんよ。まあ、みんなはワテなんかより強いからなあ……




『違ーうっ! やり直しだっ!』


 はれれ? ワテ、なんで叫んだんだ? みんなが一斉にワテのほうに向いてきたよ。


 怖いっ! 怖いけど違うんだ。演習はお遊びじゃない。ワテも一人でいる時にスケルトンたちを使ってよくやってるんや。


 ワテ、弱いからみんなの力を借りないとアカンから。



『元の整列に戻れ、今すぐだ!』


 演習場が静かになってる中、魔王様が控えているからなのか、みんながぞろぞろと元の場所に戻っていく。空きになった演習場にワテは自分だけの軍団を呼び出して、仮想敵を作ろうと思った。



『出でよ、我がしもべたち!

 我に従えて、我とともに征かんぞ!』


 呼び出されてくるワテだけの軍団。


 スケルトンが魔法の杖に盾や剣を持って、次々と完全装備で姿を現した。


 その数、数千、数万、いや、十数万と増やしていく……


 はれれ? なんで? ワテの限界は数百で精々棍棒持ちのスケルトンが限界なんですけど、はれれ?




「好きのようにおやりなさいな、ブッチャイク……

 ――いや、魔王軍序列一位、骸骨使いのブッチャク」


 魔王様がワテの後ろで魔力を送り込んでくれてる。


 ……そうか。それならば。



お疲れさまでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ