助けろって、言われても50歳のリーマンには無理でしょう
腕を掴まれて俺の方にピキーンと痛みが走った。こ・・この痛みは、50肩だ・・・間違いない。左手に力が入らない。もう少しひどく引っ張られたら、持病のギックリ腰まで出てきそうな勢いだった。引かれた方の手を見るとひとりの女性が必死になって俺の手を握り締めている。
「皇子様、助けてください!!」
そんな彼女の真剣な眼差しに俺は、どう答えたらいいのかわからない。それもそのはず一体何から助けてほしいのかがわからないのだから・・・そこには、とまどっている俺がそこにいた。それは、いつもの風景の中、ただ、わけのわからない群衆に囲まれて変なことを言われている俺が存在している。というわけで
「あの・・・」
「わ~!!ありがとうございます。ありがとうございます!!」
俺の一言に腰をすとんと落とし、そのタイトなスカートから彼女のパンティが丸見えにもかかわらず一心不乱に俺に頭を下げてくる彼女、結構美人なんだけど・・・どっかで見たような・・・と思っていると彼女はある方向を指さした。そして、その方向の人だかりが割れて、一人の男がコーコーと不気味な息をしながら現れた。
「あ・・・あれ・・を・・」
「コー・・・コー・・・」
俺が見たやつの部分だけ、何故か暗くデフォルメされていて、俯いたまま俺の方へ向かってくるガタイのでかい奴、身長は、190cmくらいあるのではと思うくらいデカイ背広を着たやつが俺に向かって歩いて来ていた。・・でったい無理っ!!160cm体重80キロちそこそこの中年太りした俺には絶対無理。と思っていても相手は、関係ない様子だった・・・
「コー・・・コー・・・」