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受付嬢の移籍  作者: 秋山梢
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プロローグ

駄文注意

 私の父は冒険者で、森の近くの村に護衛として雇われた。

 何度か村への魔物の襲来を防ぎ、その中で食事や支援をしてくれた少女だった母と結ばれ結婚。

 当時は中年と美少女の組み合わせで色々問題があったらしいが、母が押し倒して決着をつけたと言っていた。きっと出来ちゃった婚だったのだろう。

 結婚後すぐに兄が生まれ、5年後私が生まれた。

 

 私は父が好きで良くくっついて回った。

 父も背負ったり肩に乗せたり、小脇に抱えたりして村の中を歩いてくれた。

 今だから言うが、父よ。初めてのお使いでギルドに行った時、後ろに父がいることに気付いていたよ。道中で友達と話しただけで奇声を上げられたら私でも気付く。友達は泣いてたぞ。

 母はいつもにこにこしながらご飯を作ってくれた。

 父が帰るのが遅いときは時々怖かったが。あと、帰るのが遅かった翌日は父は体調が悪そうだった。母はツヤツヤしていた。

 あの幸せな時間が続いていたら、弟か妹が出来ていたのかもしれない。


 私が7歳の時、隣国との戦争が勃発。作戦の一環(大きくなってから知ったことだが)だかなんだかで、隣国は魔物の氾濫を誘発し、その際、村を守るために両親が帰らぬ人となり、村もかなり被害を被った。

 遺品として父の使っていた槍と折れた剣、両親のギルドカード、遺髪が返された。


 多分、生まれてきて一番泣いた。


 兄は頭が良く、若干8歳から魔法が使えたので飛び級をして奨学金で王都の国立魔法学院中等部の寮に住んでいた為、氾濫や戦争に巻き込まれなかったのは良いことなのだろう。


 しかし、問題は。そう問題は私である。


 7歳の私に出来ることなど、今の私が考えても多くない。

 

 父はいざという時の保険だからと小さなナイフを私に与え、そして棒術を教えてくれた。

 ナイフをくれた時に自分の指先を切って見せて、危ないものだって教えながらくれた。

 軽く引いたわ。今の私にとってはスゴク優しい人だったんだなと思うけど。

 母はいさという時、女の子は危ないからって喧嘩のやり方を教えてくれた。

 動物なら絶対にどこかに急所があるって言いながら人や動物、魔物の絵を書いて急所の位置を教えてくれた。

 母はいったいどこでそんな知識を得ていたのか。今でさえそう思う。村の美少女には危険がいっぱいだったのだろうか。


 父は当時A級槍士及びB級魔法士、母はB級拳士としてギルドに登録していたので保険金も多少はおりた。


 父の親戚と名乗る人に盗られたが。以来会っていない。


 氾濫後、家の倉庫で発見された私は 発見してくれた母の友人のアガサさんに村のギルドへ連れて行かれた。


「こまった事があったらギルドへ行ってごらん。きっとレミーナを助けてくれるよ」

   

 頭を撫でてくれながら、父がそう言っていたなと思い出し、泣きながらギルドへ向かい、そして保護された。



 それ以降、私はギルドで働かせてもらった。

 遊びの延長として色々ギルドの仕事を教えてくれた長やアガサさんには感謝の言葉もない。

 父の同僚だったというダズおじさんには父の昔話や槍の使い方、動物・魔物のさばき方を教わった。

 最初はどんくさくて、何度も泣いたけどギルド職員の真似事をしている私はいつの間にか出来るようになっていた。


 戦闘法は、畑を槍のみで開墾とかダズおじさんとの練習で一般的な戦闘法なんかを教えてもらってたら出来るようになっていた。

 きっとあの時の氾濫がトラウマとしてあるんだろうと人ごとのように思っている。


 両親が残してくれた家はもうない。

 氾濫時ほぼ全壊状態で修復不可であったのもあるが、昔のことを思い出すと胸が痛くなる為、兄とも相談し、今は壊して畑にした。余暇などに畑を弄ってもらえるよう村共有の菜園状態にしている。

 ギルドに住み込み。

 そろそろ9年になる。


 色々国家資格も取った。ギルド職員C級、算術C級、槍術B級、体術B級、解体術C級、短剣術E級、剣術E級、盾術E級、騎乗術F級等など。


 ギルド職員C級を取った時、ギルド職員正式制服を支給された。普通に貴族さんの家でも使ってそうな黒いメイド服と白いレースのフリル付きエプロン(ウチのギルド職員で着てる人いない)なんですが。。。

 実はコレ魔法具マジックアイテムなんです。

 特性で状態維持と防水がついています。破れても再生するって。。。しかも布製品のハズなのに普通の革鎧より丈夫って。。。

 お値段なんと20000ペンド!私の当時(D級職員)のお給料12ヶ月分なんですよ!!!

 1着はC級免許取得者への支給。以降の予備等は自腹。職員割引20%あり。

 欲しくなかったけど、強固な説得(理詰め、泣き落とし、強制)で購入する事となった。

 分割で2年ローン。完済。


 たまに帰ってくる兄は毎度一緒に暮らそうと言ってくれるが、私は大丈夫だから。としか言っていない。


 兄は今は学術都市の大学院を卒業し、B級魔法士として国のどこかの部門で研究をしている。エリート。マジイケメン。母の遺伝子勝利。女装させたら完璧。

 王都に住まいも構えてくれているらしいけど一緒に住もうと思わなかった。

 きっと私は兄に対して苦手意識(なよなよした男はキライ)といえば良いのか、どう言えば良いのかわからないが(あの美女顔への嫉妬か?)、家族としては見れていないんだと思う。



 そして今年、私は母が結婚した年齢になる。


 まだまだ寒い2月13日私の誕生日。

 朝6:00。


 今日より私は大好きだった父と同じ冒険者として登録する。


シリアスは続かない

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