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ブームの法則

作者: さきら天悟
掲載日:2016/08/07

「今は、猫だな。

その前は・・・」

Aを椅子の背もたれに身を預け、

天を見つめた。


「エコ・・・」

Aは腹筋を効かせ、グッと体を起こした。


「そういうことか・・・」

AはPCでググってみる。


「北川景子、

黒柳徹子、

サエコ・・・」

話題になったタレントを検索した。


「この法則でヒット商品ができるかもしれない・・・」

Aは、会社でアイデア商品の企画開発を行なってる。

これまでいくつかのヒット商品を開発していた。

でも、大ヒット商品とは思えず、満足していなかった。

それで、Aは自分の開発手法を変えてみようと思った。

その手法はオーソドックスだった。

苦情を解決する方法で商品を開発してきたのだ。

一番多いのはスペースを取る、と言うクレームだ。

それで、Aは折り畳み式にする手法で対策したのだった。

また、Aは新素材にも敏感だった。

Aは、いち早くキッチン製品にシリコンを取り入れていた。


「ブームが作れるかも・・・」

Aはヒット商品に留まることなく、ブームを作りたかった。


「米粉、

ニセコ・・・

そうか子猫は最強だ」


長い沈黙の後、Aはカッと目を見開いた。

「テコだ。

テコの原理を取り入れた商品を作ろう」


Aは用紙に鉛筆を走らせ、製品イメージを描いた。

それは電気自動車だった。

テコの原理を使って、簡単に縦型に駐車できるのだ。

これにより1台分駐車スペースに4台駐車できるようになる。


「これはブームになる」

自画自賛のAは、大きく呟いていた。


打ち合わせから戻って来たBは、Aに尋ねた。

「ブームって?」


「ブームの法則を見つけた」

AはBにその法則を説明した。


Bは怪訝な顔をした。

「北川景子?

なんでだ?

その法則に当てはまらないだろう?」


Aは、『KEIKO』と縦に描かれた車の隣に書いた。

そして、E、K、Oの下に線を引いた。


Bは大きく頷いた。

「そういうことか」


Aは、ブームになるモノにはある文字が入っていると発見したのだ。

それは、EKOだった。


ネコ、エコ、ケイコ・・・

コネコは2つある。



「だからテコなのか」

BはAが描いた車に感心した。


「でも・・・」

Bは次の言葉を飲み込んだ。






2年後、Aが企画した縦型駐車の電気自動車はメーカーに採用された。

日本だけでなく、海外メーカーにも採用され、

ブームを起こしそうになっていた。




Bは、社長に表彰されているAに拍手を贈った。


やっぱり言わなくて正解だった。

もし、あのことをAに指摘していたら、

自信家のAはあの企画を中止していただろう。

エコはEKOでなく、ECOだと。

Bは心の中で思った。


本当にブームとなるモノは、どんな障害をも乗り越えてくる。

それが本当のブームの法則だ、とBは知っていた。

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