第三話『魔法剣は通じない!?異世界初戦闘の洗礼』
俺はお金を得る方法が何かないか町を歩く。 店をのぞいて商品を見て回る。
「オールバンクと売っている商品と差額があれば、その売買で稼ごうと思ったが、やはり差額はないか......」
その時、武器を置く店があった。
「武器屋か...... モンスターがいるからな。 それであんなに魔法の武器があったのか」
店に並ぶ商品はゴミのものより十倍程度の値段だった。
(高いな......)
「何かお探しですか?」
小太りの店主がそう言って近づいてきた。
「これって魔法がかかってるんですよね」
「ええ、でないとモンスターとは戦えませんよ。 軽くて丈夫、その上安い当店自慢の武器や防具です」
そう自信満々で店主が胸を張る。
「そんな危険を冒してまでモンスターを倒すんですか」
「まあ、【冒険者】の方はそれが仕事ですからね。 高額な報酬もありますし......」
「冒険者......」
「ん? 冒険者ですよ」
不審そうに店主が眉をひそめた。
「い、いや、俺、昔大きな怪我をして、子供の頃から長らく外に出られなかったんですよ」
そう言って包帯を見せた。
「ああ、それで外のことを...... 確かに色も白いし、体も華奢、不健康そうですもんね」
(ほっとけ...... それは元々だよ)
「まあ、それなら仕方ないですね。 冒険者は依頼を受けて仕事をする職業です。 特にモンスター討伐が主となる職業ですよ。 ただとても危険ですがね」
「なるほど......」
(あんな化物倒せんのかな...... 高額な報酬...... ちょっとのぞいてみるか)
俺は剣と鎧を買うと、店主に聞いてその冒険者が所属する【冒険者ギルド】に向かった。
冒険者ギルドは町の中央にあった。 大きな建物の周りには武装した男女がいる。
(なんかみんな強そうだな)
入ると正面奥にカウンターがあり、受付の女性がいた。 女性と目かあう。
「あの......」
「はい、今日はどんなご用でしょうか? ご依頼ですか、それとも冒険者の登録でしょうか」
「えーと、冒険者は誰でも登録はできるのですか?」
「ええ、ただ登録のために試験として、【ベビーマンティス】を狩ることが条件となっております」
(ベビーマンティス...... なんか倒せそう。 一度試してみようかな)
「では、どうされますか?」
「じゃあ、登録でお願いします」
「わかりました。 ではこの【冒険者カード】を携帯しておいてください。 モンスターを倒すとそのカードに記憶されます。 それが証明となりますので、ただ無理をせず危険だと感じたら退避してください」
そういって銀色に輝く金属のカードをカウンターに置いた。
(軽いな。 これも魔法がかかってるのか)
俺は早速、ベビーマンティスのいるという森へと向かった。
「この軽い剣なら、なんとか倒せるんじゃないか」
俺は試しに剣をふるう。 その場の草が容易く切れた。
「魔法によって切れ味も増してると店主がいっていたな。 鎧も強度が上がってるとも...... 確かにこれなら戦えそうだ」
少し自信がつき、森を進む。
「ギルドの人が、確か黒色のカマキリだと言っていたな」
(ただ冒険者になっても、10兆円稼ぐのはとても無理だろうな...... 現実的にここで生きる方法を探るとするか......)
ガサッ!!
「なんだ...... いま茂みで何か大きなものが動いた。 でも人間ぐらいだった、熊じゃない......」
よく見ると、人ぐらいの大きさの黒色のカマキリがそこにいる。
「なっ!? まさか! あれが、ベビーマンティス!!」
こちらにカマキリは気付き、羽をバタつかせた。
「やばい!!」
とっさに剣を構える。 飛びながら近づくカマキリに切りつけると、金属音が響き、その鎌のような前足で防がれた。
「嘘だろ! 剣で切れない!! うわっ!!」
そのまま、すごい力で投げ飛ばされた。 木にぶつかり息ができない。
「かはっ......」
(どこがベビーだ!! このままだと死ぬ!)
取りあえず這いながら逃げて木の影に隠れる。 ゆっくりとカマキリは近づいてくる。
(なにか! そうだ! 魔法......)
ウィンドウを開けて技能一覧を探す。
(手持ちは100万もない。 魔法なんて買えるのか! 昨日調べたときかなり高額だった...... いや、安くて戦えそうな技能ならなんでも、安いもの......)
昨日宿でウィンドウの項目を調べていたとき、一つ気になるものを見つけていた。
(あれは確か、90万だった。 これ...... 使えないか)
すぐそばまでカマキリが来ている。
(もうやるしかない!)
俺はカマキリの前に立った。 カマキリは羽をバタつかせ、その鎌のような前足を振り下ろした。




