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第十七話『遺物と突風の連携』

 俺たちは遺跡探索中にいくつかの遺物を見つけた。 短剣にいくつかの壺、そして紋様が彫られた金属の鍵だった。

 

「......短剣に壺、そして鍵か」


(アプレイザルで見たら、かなり高額なものだ。 しかもこの鍵魔法がかかっているな。 効果まではわからないな。 拡張スキル・エクスパンションで技能の拡張すれば見れるのかもしれないが......)


「なんか、遺物レリックって勝手に生まれるらしいな......」


「勝手に? そんなわけないでしょう」


「ダンジョンに勝手に置かれてるって...... 俺も直接見たわけじゃないが、いつの間にか置いてあるらしい、ギルドでバティアさんがそう言っていた」


「誰が置くんですか? まさかダンジョンってわけじゃないでしょう?」

 

(確かにな...... どう見ても人工物だ。 それを言えばダンジョンは誰が作ったのかってことにもなる。 深く考えてもしかたないな)


「これって俺たちがもらえるんですか?」


「ああ、拾ったものが所有者になる。 壺と短剣は契約コントラクトでお金にするが、この鍵はとっておこう...... レンド」


「ええ、さっきからずっといますね」


 レンドが剣の柄に手を当てている。


「何者だ......」


「......ああ、ばれたか」


 最初にいた冒険者の一団だ。 全員が武器を抜いている。


「お前たちがさっきの奴らを殺したのか」


「なんのことかな......」


 先頭の黒髪の男がこちらに剣を向けた。


「なんのつもりだ? こんなところで消耗してるとダンジョンマスターとは戦えないぞ」


 そういうと、冒険者たちは笑う。 その笑い声は遺跡に響いた。  


「俺たちはダンジョンマスターとなんか戦わない。 用がすんだらさっさと帰るさ」


「当たり前でしょ。 楽に金をえるのに冒険者になったのに、わざわざそんな危ない真似すると思う」


 女は弓を構えながら薄ら笑いでそう言う。


「金...... 俺たちの持ってる遺物か」


「ああ、Aクラスを目指す新人は多い。 そいつらから遺物を得るのか最も稼げるのさ」

  

 斧を持つ巨漢の男が笑うと、槍を持つ細身の男がうなづく。   


「ここじゃ死体も誰にも見つからんしな。 年一の狩り場だ」


(こいつら遺物目当ての冒険者か。 目当てのものを手に入れるまでつけていたようだな)


「なにか壺や短剣を見つけたようだか、その鍵が一番価値がありそうだ。 さあ指輪はもらおうか」

 

 そう男は剣を構える。


「これを渡したら、帰ってくれるか」


「......この仕事を知られたくはないんだよ!」


 男が動くと同時に後ろから矢が放たれた。 矢を短剣ではじくと、剣が目の前に迫る。


「あぶねえ!」


 レンドの剣が目の前でその剣を防いだ。 俺は近づいていた男の足を短剣できろうとするが、後ろに飛び退かれた。


「ほう、多少はやるな」


(こいつらうまく連携する......)


「......時間はかけられない、今度は四人でやるぞ」


 冒険者たちは散開して構える。


「レンド、こっちも連携でいくぞ......」


「は、はい」


「行くぞ!!」


 冒険者たちが一斉に動く。 弓から数本の矢が放たれた。


突風ガスト!」


 レンドが剣をふるうと突風が起こり矢を落とすと、左右には走ってきた冒険者の斧と槍が左右から俺にふるわれる。


契約コントラクト!! 鋼指メタルフィンガー!」


 俺は両手の指を持っていた鋼の短剣で鋼に変え、攻撃を受けると槍と斧が砕けた。


「なっ!!」


「俺がやる!!」


 剣を持った男が突っ込んできた。 矢をつがえる女、短剣をぬく男たちが見える。


「レンド!」


「はい! 突風ガスト!」


 その時風が俺に放たれ、俺はその風を左腕にうける。


契約コントラクト拡張スキル・エクスパンション! 【突風腕】《アームガスト》!」


 右腕をふるうと突風が前方に放たれた。


「ぐあああっ!!」


「うわあああ!!」


「きゃああああ!!」


 四人は突風によって壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなった。



「ふぅ、うまく行きましたね」


「ああ」


「でもこいつらどうします」


 倒れ拘束された冒険者たちを見てレンドが言う。 武具は売却して金に変えた。


「ここに置いとけばモンスターにでも食われるだろ」


「ま、待ってくれ!!」


 突然、男の一人が声をあげた。


「こいつ起きてたのか」


「......たぶん隙をつこうとしたんだろ、置いてくぞ」


「待ってくれ! こんなところに拘束されたまま置き去りにされたら死ぬ!」


「お前たちがしたことだろ」


「頼む! 服の中に高位遺物レリック、【転移の指輪】がある! そいつで地上に飛ばしてくれ!」


「ふざけるな! そのまま逃げるつもりだろ! お前たちはいままで冒険者を殺した罪があるんだぞ! 証拠もないなら、ここでモンスターに食われろ!」


 レンドがそう言うと、男は頭を下げた。


「頼む! 俺たちのような底辺で生きてきた人間は、こうでもしないと生き残れない。 地上にでたら罪は償う......」


 そう目を伏せた。


(嘘くさいな......)


「カイトさん......」


 困惑した様子でレンドがこちらを見る。


(レンドも同じような境遇か。 同情するのもわかるが......)


「いいが、もしギルドに、報告せず逃げるようなことがあったら、俺たちはお前を追うぞ」


「あ、ああ! かまわない!」


 服の中から指輪を見つけた。 俺はアプレイザルで調べる。


(確かに転移の指輪とあるな)


「それはあんたたちにやるから」


 俺が指輪を使うと冒険者たちは姿を消した。



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