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スーパースターな男II  作者: 柿井優嬉


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杉森圭吾の話⑭

 その競技では収入が少なかったり、ゼロだったりで、他の仕事をしながらプレーしているスポーツ選手は大勢いる。今度はそういった人たちのために何かできないかを考えていたときだった。

「一つ一つの競技はマイナーだったりで興味を抱いてもらいにくくても、たくさん集めて、いくつも観戦できるようにすれば、足を運んでみようという人が多くならないかな? 遊園地やテーマパークで、ジェットコースターが苦手でも、他のもので楽しもうと思ってやってくる人はいるし、たとえ一つ一つのアトラクションだけでお客さんを満足させるところまではいかなくても、いっぱいあることで、来場者を増やす効果を生んでいるに違いないように」

 芽生が口にしたアイデアに、圭吾が返した。

「それ、面白いですね」

「オリンピックが、まさにそうじゃない?」

「確かに」

「そこに、知名度と人気がある圭ぴょんが何らかのかたちで絡めば、なおさらね」

 智香も言った。

「じゃあ、いろんな競技に声をかけてみましょう。向こうの側から、もっと良い案が出てくるかもしれないですしね」


 また、別の機会に、一般の人々の収入を増やすためにやることというのに関して、圭吾が思いついたものを芽生たちに話した。

「野球のメジャーリーグには、ぜいたく税という仕組みがあるんです」

「なんか、その言葉は聞いたことあるな」

 智香がそうつぶやくと、芽生が圭吾に言った。

「各チームの戦力差が開き過ぎないように、選手に支払う年俸の総額が基準を超えた球団に課される、文字通り税金のようなお金だよね?」

「はい。それで、徴収したお金は、引退後の選手の年金などに使われるらしいんですけど、日本のプロ野球はこの制度を取り入れていないんです。なので代わりに、基準額以上のお金を選手への支払いに使った球団は、その金額に応じて、経済的に困っている人たちに対し、雇用したり、寄付やいろいろな支援を行うよう義務づけるかたちにしたらどうかなと思ったんですが、どうですかね?」

「いいんじゃない、すごく」

 智香が即答し、芽生も大きくうなずいて返事をした。

「うん。同感」

「よーし。なら、やれるかどうか、プロ野球の関係者に訊いてみよう」


 こういった具合にアイデアを出し合い、三人でだけでなく、野球のクラブチームのとき同様に専門家や協力してくれそうな人に声をかけて、案を募ったり、相談に乗ってもらうなど、輪を広げることもやって、だんだんと思い描くサポートができるようになっていったのだった。

 そんなある日、圭吾のもとに、一人の男性が訪ねてきた。

「初めまして。突然で申し訳ございませんが、杉森さんにぜひ聞いていただきたい話があるのです」

 男性は、真剣な表情で、そう切りだした。

「そうですか。ところで、あなたは?」

「私は、韮沢響壱といいます」


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