エンジェルソード◇Angel Sword 子どもたちは戦う、その手に持つ武器とともに
兄妹は両親とピクニックに行って食事をしています。 兄妹は食事が終わって、【穴に注意】の看板も見ずに、 2人で遊んで山の方へ行きました。
妹は先に走って行って山の穴に下に転がって落ちていきます。お兄ちゃんが妹を探すけど見当たらないのでお父さんとお母さんが探しに行く、何日たっても見つかりません。
そんなある日、お兄ちゃんが妹をまた探していると、お兄ちゃんの方に白い鳥が木の幹に止まりました。
「君の妹はこの穴の中へ落ちて行った」
なんと白い鳥から人の声が聞こえて来ました。男の子はびっくりしつつも、落ち着いて話を聞きます。
「どうしたら妹のところに行けますか」
男の子の必死な様子に、鳥はせきこみます。
「私が案内する。ついてきなさい」
不思議な鳥は、森の奥へと羽ばたいて行ってしまいました。男の子は白い鳥の言葉を信じて、羽ばたいた先を追います。
妹を想いつつ、森の奥深くまで入り、木々が光を隠して薄暗い道を進んでいきます。陽光がさす先に人ひとりが入れそうな穴を見つけました。鳥は入り口はここだと男の子を誘い、ともに入り落ちていきます。男の子は目に土が入らぬようつぶりました。
地に足が着き、男の子は目開けます。そこには穴に落ちたとは思えない青空が見え、広大な草むらが全体へ広がっていました。
男の子はその世界を見渡していると、おばあさんが後ろから覗き込んできます。
「私がさっきの白い鳥だ、妹のいる村へ案内する」
おばあさんは男の子を呼び集落の方へと案内し、歩いていきました。 川を渡り、男の子は村を見つけ、おばあさんはひと息つきます。
「妹はあの家の中に閉じ込められている。 どうにも村長の子どもがその子を嫁にしたいらしい。 妹を助けたかったら、その子どもと戦って、勝たなければいけない」
「僕ケンカもしたこともないのにどうしよう」
男の子はケンカが苦手で困まってしまいました。 するとおばあさんは男の子の手をおばあさんの温かい手が包みます。
「わしが武器になってあげよう」
おばあさんは目をつぶり、不思議に握ったその手から大きく不思議な力を男の子は感じとりました。彼女は立派な剣へと変身して、男の子の手にぎります。
剣を持った男の子は、剣に引っ張られて村に入っていきました。
男の子は村人たち近づきます。
「僕の妹がここにきていませんか」
村人の大男は子どもの持っている剣を見て、笑いました。
「おいおい、まさかそんな武器で村長の息子と決闘するのか?」
「さあさあ、この看板が目に入らぬか!! 誰でもいい、あと1回僕決闘して僕が勝ったらあの女の子と結婚するんだ!!」
村中がざわめいていました。この村に訪れた女の子と結婚したいと、大きな剣を持った子どもが堂々と宣言して村人と19人と決闘して、19連勝していました。
「お前の武器じゃ勝てねえな。ふっ、諦めろ。俺があのガキンチョをボッコボコにしてやる。 俺の息子にあの女の子と結婚させるんだ」
その言葉に持っている武器の心に火がついたのか、持っている剣が急に動き出して男を倒しました。 そこに仲間の男たちが入ってきます。 男の子び男たちが拳で襲いにかかりにきたのです。 そこに剣は動いて、頭を叩きます。叩かれた男たちは全員気を失いました。 その剣に操られるように動いた男の子に、村人たちはこちらを見て静まりかえります。
村中がざわめく中、自分と同じぐらいの年頃の少年が椅子から立ち上がってきました。
「君が嫁候補の言っていたお兄ちゃんか?」
とでかい剣を持って男の子に近づいてきます。
村人たちはざわめく中、男の子は少年を見つめて「あの・・・妹を返してくれませんか」と言って話しますが、強気な少年はあざ笑います。
「僕の嫁候補を返せか。僕を誰だと思ってるんだ? この村の人たち、あの村長、あの強いパパを超える息子様だぞ!」
少年は大きな剣を男の子にむき出しました。 弱腰な男の子に刃を向け、少年は威圧した。
男の子は剣を振って戦うが、先程のように剣は動かず、強気な男の子に大きな剣で押し倒されそうになる。 そんなピンチに男の子は妹の言葉を思い出す。
「お兄ちゃんはいざってときね、本っ当に強いんだよ!」
妹の言葉を思い出し、男の子は剣を強く握ります。
「僕は絶対に勝つ! 勝つんだ!」
その剣を振りかぶり、少年の大きな剣を吹っ飛ばしました。 その剣を失って動揺する村長の息子に、男の子は、少年の胸の前に剣を止めます。 その戦いに村中は時が止まったかのように静まりかえりました。
男の子は大剣を持った村長の息子に、勝ったようです。
それでも、男の子は疑問に思います。
「この戦いに勝ったのも、剣のおかげ・・・?」
すると剣になっているおばあさんが、優しく語りかけてくれました。
「いいや、その動きは君さんの勇気のおかげ、自分の力で勝ったんだ」
おばあさんは男の子自身の力で勝ったのだと言います。
そこに村のおじさんが近づいてきます。
「何してる、バカ息子」
「パパ・・・」
おじさんは疲れた少年をおんぶしました。
「私がこのバカ息子のお父さんであり村長だ」
どうやら少年を背負うおじさんは村長だったようです。 少年を背中で寝かせて、村長は男の子に近づいてきます。 村長は男の子の持ってる剣を見ました。
「ああ、女の子の言っていた白い鳥に誘われた君か。 そうか、そして久しぶりだ。 今度は剣に姿を変えてるようだが・・・」
剣になっていたおばあさんの姿を見破ります。 剣はおばあさんの姿になり、女の子はどこにいるのか話しました。
「女の子か、今頃私の家でおもちゃと遊んでいるな。 君の妹さんも会いたがってた。案内する」
白い鳥のおばあさんと男の子は村長の家に入ります。 そして妹のいるおもちゃの部屋に入りました。
妹はぬいぐるみを持って遊んでいます。 その目にお兄ちゃんが入ります。
「あ、お兄ちゃん来たーー。白い鳥さんこの前剣になってくれてありがとね〜。 案内もありがとう〜。 お兄ちゃんも戦いごっこやった? 楽しかったよ〜」
どうやら妹はこの数日前に白い鳥のおじいさんと出会って、男の子の同じように剣になって村長に息子との戦いに勝ったのです。 その強さに感銘を受けた村長の息子はその女の子を、嫁候補にしたとのことでした。
「剣のおかげだね」
兄妹2人はどシンクロするように言って笑って頷いて、言われた白い鳥のおばあさんは照れるのでした。
そんな温かい日が沈み始め、兄妹は夜になって両親のもとへ帰ることにしました。
白い鳥のおばあさんは、満月を見ました。
「私はこの子たちを親の元へ返す またしばしの別れだね では」
そう言い、おばあさんは白い鳥の姿となって、村長と村人たちに見送られながら兄妹を乗せて空へ羽ばたきます。
おじさんが見るその姿を、月明かりが優しく照らしました。 戦ったその手に持つ、思い出とともに。
久しぶりにファンタジーな小説書きたいと思って作りました。無事、投稿できたかと思います。