第7話前編 新たなる出会いの予感
彼女との出会いが真と魔王の新たな道を綴る
新たな場所、新たな出会い、新たな物語が始まった。それなのに、それなのになぜ?いつの間にか中学生になって1年経過にしてしまった。
なぁ!魔王どうゆうことなんだよ!?
(知らん!そんなことより今日の給食はなんだ?)
そんなことって…今日は卵スープだよ。
(あれは美味い。今日は我と入れ替われ)
それは別にいいけどさ、魔王。あれから基礎体力をあげてるが、全然お前を狙ってくるやつ現れねぇじゃん。
(そんなことを言われてもな、我を狙うということはそれほどの実力があるということだ。そう簡単にバンバン戦うわけがないだろう?)
そうなのか…。平和が一番ってことか。
(そうゆうことだ)
そんな会話をしていると、先生が教室に入りホームルームが始まった。
噂では今日転校生が来るとか。
「はい、では転校生を紹介します。一ノ瀬中へ」
「はい」
と、廊下から返事が聞こえ教室にスカートを揺らしながら入ってきた。
まだ新しい制服に慣れてないためか、動きがぎこちない。
彼女は例えるなら絵に描いたようなお嬢様て感じだ。もちろん世間知らずの方の。
(どうした?真。鼓動が速くなっているぞ)
分かんないけど、妙に視線が引かれる。
なんでだ?ただ黒髪で姿勢も良くて、顔立ちが整ってて彼女が笑うと枯れた花が満開に咲きそうってだけだぞ!それに—。
(おい、帰ってこい)
…あ、あぶねぇー。危うく帰ってこれなくなるところだった。
てそんなこと言ってたら、自己紹介終わってるじゃねぇか!
(…)
昼休み。
魔王から後で聞きだした情報によると、彼女の名前は一ノ瀬華恋。中高一貫の女学校から来たらしい。親の転勤についてきたとか。
てか俺キモいな。さっきからずっと一ノ瀬のことばっか見てる。
「、…ん、し……、しん……真!」
ふと前を見ると少し位置を間違えるとキスしそうな近さに顔面があった。
「!うわっ!!」
ガンッと椅子が倒れる音とともに頭を床にぶつけた。
「い、っててて。急に話しかけんなよ」
椅子を戻しながら起き上がり、ぶつけた箇所を撫でる。
「さっきから呼んでたぞ。それなのにずっと上の空だった」
「それは悪かった。んで、なんだ?」
「いや、休んでたぶんのノート見せてもらおうと思って」
「それならはいよ」
机の引き出しから、三冊ほどノートを取り出して山田に渡す。
山田は野球部に所属しており、頭も良いし運動もできる。勝手に苦手意識を持っていたが話すと意外に良いやつだった。
「うぇい、ありがと!」
話が終わるとまた一ノ瀬の方を向いた。すると彼女がいない。あたりを見渡すと2人の女子がこちらにいた。
「さっきから見てきてるけど、何かよう?」
最初に話しかけてきたのは名前は犬飼美津紀。この子は一言で言うと優等生。生徒会に所属しており、俺が苦手な部類な人間だと思う。女子からの人気が高い。
「もしかして華恋ちゃん?」
カーディガンの先を持ち口元を手で隠しながら、八重歯を見せているのは結城玲那。
この子も話したことはあるが、苦手だ。噂では大学生の彼氏がいるとか。どうでも良いかもだけどもうすぐ夏だっていうのに、ワイシャツの上にカーディガンは絶対熱い。
「ま、まぁ?」
あからさまな態度に2人は恋バナが好きなのか、グイグイくる。「一目惚れしちゃった?」とか「華恋のどこに惹かれたの?」など、質問攻めだ。
まずい。
魔王助けてくれ。
(もう少し楽しませろ)
まじかこいつ。使え…んんっ!そんなこと言ったらいけないな。
「……紅…く、ん」
と、そこで俺の思考は停止した。
目の前に美女がいる。たしかに、犬飼も結城もたしかに可愛いと思う。でも、一ノ瀬にはなにか惹かれるものがある。
やばい、なにか言わなくては「ぁ、ああー!えぇと、ど!どうしたんです?」
「えっとね、咲希さんって紅君の妹さん?」
今日来た転校生がなんで俺の妹を知ってるんだ?
「そうだけど…それが?」
「今日私が迷ってるところを案内してくれたの。それでお礼を言う前に先に行っちゃって…」
男と話すのに慣れてないのか、だんだん言葉が小さくなってきて、体もくねくねし始めてる。
「会いたいってこと?」
コクンと頷く。
なんだこの可愛い生き物は。
「じゃあ、放課後にでも手芸部に行けば会えると思うよ」
「手芸部なら私が教えてあげるよ」
その会話を聞いていた結城が反応した。
へー結城って手芸部にいるのか。今度咲希にどんな感じなのか聞こ。
山田が結城のこと好きらしいし。
放課後部活をしてない俺は帰宅。
一ノ瀬は結城と共に咲希に会いに手芸部に赴いた。
一緒に行きたいところではあったが、まぁあと卒業まで1年以上あるし大丈夫だろ。
次の日そんな安心も束の間、一ノ瀬があんなにモテるとは思ってなかった。




