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魔王の導き  作者: 未来 昇
小学生編
4/5

第3話 魔王とのルール

魔王に乗っ取られはや3日、最初はいつもと違う俺に疑問をもっていたクラスのみんなもだんだんと慣れてきていた。

放課後、裕夢が話しかけて来た。そういえばあれからちゃんと会話してないなと思いつつ、俺は魔王の動向を伺うことに。


「今日は一緒に帰ってくれてありがとうな」

「全然構わん」


帰路の途中にある公園に近づいたとこで、裕夢が公園に入ろうと誘ってきて、それに魔王は乗っかった。


「そうだ。なぁ、真」

「なんだ?」


すると、裕夢は公園の入り口で立ち止まり俺を乗っ取っている魔王は前を進んでいる。


「お前ほんとに真なのか?」


後ろを向いたまおうと裕夢の間に風が吹く。


「何を言っている。俺は真だ」

「そこなんだよ、なーなんだよそのキモいしゃべり方」

「キモいだと?」

「あーキモい。いつもの真に戻れよ。それともあれか?ないだろうけど悪霊的ななにかがいるとか?」


まじか、裕夢俺の変化に気づいていたのか!?だから普段より話しかけてこなかったのか…


「フッ!ハッハッハ!!よく気づいたな小僧、褒めてやろう!」

「…」


魔王が本性をあらわしたかと思うと、俺に話しかけてきた。


魔王(おい!なんだこいつは?俺の偽装は完璧だったはずだろ?)

真(おれにも分かんねぇよ)

魔王(まぁよい。存在を消せば良いからな)

真(おい、お前今なんて…)


「んで、お前はどうしたい?」

「それは元の真を取り戻す」

「フッ!そんなことができると?いいだろう!やってみ………ブフッ!」


魔王が話している最中に、裕夢が顔面を勢いよく殴った。それに対応するように魔王も裕夢の腹部を右手で殴った。奥まで食い込むように。


真(な、なんてやつらだ……)


それから3、4回双方が殴ったり、蹴ったりした後地面に倒れていた。


「……に、人間の身体は脆いな。痛くて立てん」

「……し……真に、、返す気になったか??」

「返すわけなかろう」


真(今ならいけるかもしれない)


俺は魔王が裕夢に集中している間の隙を見極めて、身体に入ることを試みた。

すると、案外簡単に身体の中に入り込めた。

それと同時に今まで無かった痛みが、一気に殴られた箇所につたってきた。


「い、いてぇ…〜」

「俺の方がいてぇよ」

「いいや、俺の方が痛いね」

「なん、だと!?…って真?真なのか……!、?」


裕夢は一度立ち上がろうとするが、体がそれを拒むように力無く倒れた。


「あぁ?、俺は真、正真正銘元の真だぜ」

「ふっ!良かった……良がっだ〜〜〜〜〜」


裕夢の目から涙が溢れてくると、俺の目からも涙が出始めた。


「俺も、……ぼぉう、もどうぇないとおもっだーーー!!」



2人で泣いた後、怪我が涙で腫れて顔がすごいことになっていながらも、そんなことを気にせず2人で俺の家に帰った。帰ったときの俺達の顔を見て、母さんは驚いていた。

その時、俺達がどんなひどい顔だったのか知らないが、痛々しくてでとても見てられなかったらしい。



「—ところで真」

「ん?」

「誰がお前の体にいたんだ?」

「んー…」


ここで言ってもいいのだろうか。

魔王は今、ずっと俺の体に入ろうとしてるけど、なぜか入れなくなってるっぽいし裕夢になら言っても大丈夫か。


「実は—。」



数分後

「まじか…つまり、真は1回死んでるってことだろ?」

「そうなの?」

「普通頭打って助からないだろ。その魔王がたまたまそこにいたから今の真がいるんじゃないのか?知らんけど」


そうか、事故でそれどころじゃなかったけど、よく考えたらあの時死んでいてもおかしくなかったのか。とそんなことを考えていると、母さんが裕夢の親が家に来たことを知らせてきた。


「とりあえず今日はありがとうな」

「おう、友達を助けるのは友達の役目だ!」


裕夢は俺に手当てをした後の顔で、笑顔を見せて部屋を出た。その後に続いて俺もついていく。


「それじゃまた明日」

「ああ、また明日」


俺と裕夢は手を軽く振って、何か話してる親をよそ目に俺は自分の部屋に戻った。


「さてと、魔王!!これからのことを話そう」


また無視かと思っていると、少し間を開けて魔王から返事があった。


「………なんだ」

「お前がいたおかげで俺が生きていることにはありがとう。だけど、これは俺の身体なんだ。好き勝手やってもらったら困るんだよ」

「だったらなんだ?俺はお前の体から出られないんだぞ。それに誰からも認識されない」

「だからお前が良いって言うかは分からないけど、俺の体に入って良い条件を作る」

「ほう?それはどんな」

「俺にピンチが訪れた時や、俺が許可した時だけ体をその時はのっとって良い。どうだ?」

「なんだと!?」


鎧で素顔が分からないが驚愕の顔をあげているのだろう。


「……仕方ないな」


魔王はこれからのことを考えていたのか分からないが、しばしの沈黙の後なくなく承諾した。


「ありがとな。ただ、お前が魔界に帰りたかったり、体がどこかにあるかは知らないけど、そうゆうことを望むんだったら俺もできる限り協力するよ」

「ほんとうか!?」

「ああ」


そもそもなんで俺の体に入ったのかは分からないけど、魔王のおかげで今があると思うしこれぐらいは恩を返したい。


「だが、あるじは我であることは変わらんぞ!」

「それで良いよ」


あーこれからうまくやっていけるのかな。


魔王?と出会って約一ヶ月、ようやく2人を隔てていた壁が少しなくなった気がした。

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