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魔王の導き  作者: 未来 昇
小学生編
3/5

2話 変わりゆく日々

1月末、魔王との生活にも慣れ一か月が過ぎようとしていた。


「はぁ、はぁ」


俺は今、学校の体育の授業でサッカーしている。


「違う、そうじゃない!」


俺の後ろでいちいち指示してきているやつは魔王?ていうやつらしい。ファンタジーならよくいるキャラだけど、まだ今いちピンときていない。

(うるさいなー、じゃあやってみろよ)

(よし、ではやってみよう)

(え?)

突如、身体が急に軽くなったかと思うと自分の身体から自分が出てきた。

(な…なんだよこれ)

(うん?やってみろと言われたからやってみただけだ)

(まじか…そんなことできんのかよ)


体育の授業で珍しく活躍した俺はその日、いつもより人気になった。




帰りの会が終わりランドセルを背負い、教室から出ると裕夢が話しかけて来た。

ちなみにあれから裕夢と伊倉さんは付き合い始めた。


「なぁ、しん

「うん?」

「体育の授業の時さ、なんか動きおかしくなかったか?」

「そう?だな、確かになんかいつもより身体が軽くなったような気がしたんだよ」


魔王のことはまだ、誰にも言えていない。言おうと思ったが信じてくれないと思ったし、イタイやつになりそうだったので、やめておいた。実際クラスにいるし。


「そっか、良いなぁ…て、この後一緒に帰る約束してるからじゃあな」

「あぁ」


軽く手を振り、裕夢が見えなくなるまで、その場に立っていた。

さて俺達も帰るか、なぁ魔王。と魔王に話かけたがぶつぶつと何か言っていて、俺のはなしは聞いてないみたいだった。



家、真の部屋

「なぁそろそろなんか言ってくれよ。一人でいるはずなのにお前が見えるせいで、なんにもやる気が起きないんだよ」

「うるさいぞ、シン」

「は?今なんて…」

「だからうるさいと言ったのだ」

「なんだよ、それ。その態度」

「フッ!今の我は貴様をいつでも操ることが出来ると分かったからな。これからは好き勝手にさせてもらうぞ」

「いやお前、何言って…」


最後まで言いおえずに、体育の時のように身体が軽くなったかと思うと、魔王が姿を消し、代わりに視界に俺がうつりこんでいる。


「どうだ!」

「おま!何してくれてんだよ。速くどうにかしろ!」

「悔しいか!?だったら自分でとりかすんだな。では食事を取りに行く」

「おい!」


俺の体を乗っ取った魔王が階段を降りていき、リビングへと向かうと既に何人かが椅子に座っていた。


母「あら、真もうすぐ出来るから呼ぼうと思ってたとこなのよ」

まおう「そうか、ありがとう母さん」

(なんだよ、その口調変だぞ)

咲希「なんだか今日の兄さんはいつもよりキモいですね」


真(おおー気づいてくれたのが、さすが咲希だ。いつもツンツンしてるけど、兄をよく見てくれていたんだな)


まおう「おい、言い過ぎだぞ。咲希」


キモい手の動きをしながら、咲希に視線を送っている。


咲希「それです。ホントにキモいので辞めてください」

母「ほら、2人共仲良くしなさい。ご飯は美味しく頂きましょう」

まおう、咲希「「はーい」」

母「それじゃいただきます」

みんな「「いただきます!!」」





夕食後、まおうと雫、白空の3人でゲームをしていた。


真(ところどころ、変な部分はあったけど大丈夫だったな。って俺の体かえせよ!おい魔王聞いてんのか?)

まおう(聞こえんな、今は話しかけてくるな。と危ない)

真(くそ、どうすりゃ良いんだ…)


結局その日、俺の身体は魔王に取られたままだった。

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