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【完結】星の海、月の船  作者: BIRD
第9章:世代交代

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第87話:新世代

 アルビレオの乗組員のうち、僕を含めた地球人は、卵巣・精巣を切除されていて子孫は残せない。

 地球人以外のメンバーは生殖能力を有しているけど、アクウァ星人のカール、アーラ星人のチアルム、ミカルド星人のアニムスは、大人になっても3人一緒で異性に恋愛する気配が無かった。

 そんな中、移民団に初めての子供が生まれたよ。

 父母は、猫耳と猫シッポをもつフェレス族、ベスティア星人のマヤとニア。

 黒い猫耳とシッポの父マヤと、シルバータビーの猫耳とシッポの母ニアから、どんな子供が生まれるのか?

 その答えは、僕たちの予想外を含んでいた。


  宇宙船アルビレオ号

  艦長トオヤ・ユージアライトの日記より



 ベスティア星人は多産系の種族が多い。

 猫耳シッポのフェレス族も多産で、5つ子や6つ子が平均的であった。


「えぇっ?! みんな毛色が違う?!」

「そうだよ。おいらたちフェレス族は、親と違う色で生まれることはよくあるんだぜ」


 最初に驚いたのは、出産のサポートに来ていたレシカ。

 ベッドに横たわったニアの胸から腹部まで、ズラリと並んで乳を吸う子供たち。

 フェレス族は地球の猫と同じで普段は乳房の膨らみが無く、出産と共に授乳期間のみ乳房が膨らむという体型。

 うつ伏せでそれに吸い付く子供たちの様子は、まるで猫の授乳風景のようだ。

 その耳やシッポの色は、みんな違っている。

 マヤと同じ黒、ニアと同じシルバータビーの他に、白、茶トラ、キジトラがいた。


「まるでバラエティパックみたいな子供たちね……」


 レシカは驚きつつも、愛らしい赤ちゃんたちに魅了されながら呟く。

 両親と同じ色はともかく、他の毛色は一体どこからきたのか?

 疑問に思うレシカであった。


「ニア、お腹が空いたでしょう? 栄養のあるものを作ってきましたよ」

「ありがとう! 美味しそう~」


 5つ子に栄養を吸い取られ続けるニアは食欲旺盛で、いつもの倍以上を平らげる。

 たくさん食べても痩せてしまうので、アイオは栄養価が高くて食べやすいメニューを作ってあげていた。


 授乳期の母親には特に必要な栄養素は、主にカルシウムと蛋白質。

 ビタミンやミネラルも欠かせない。

 植物質の食材は、艦内農園から。

 動物質の食材は、異星で入手して冷凍保存したもの。

 その他に、最近は小型の魚の養殖も始めていた。


 地球の歴史では、西暦1973年にスカイラブ計画でフンジュラスというメダカの1種の魚が宇宙へ運ばれたり、西暦1994年にミッションIML-2(第2次国際微小重力実験室)の81テーマの実験の1つに愛知県弥富町産の金魚が宇宙へ運ばれたりしたことがある。

 コロニーでも魚の養殖は実用化していたので、地球文明を観察し続けたアルビレオには、それほど難しいことではなかった。

 トオヤたちがコロニーを出る際に渡された魚卵の中から、マアジという魚を選んでアエテルヌムのクローン技術で増産、食材化するに至っている。


「今日は、小アジの南蛮漬けを作りましたよ」

「骨まで柔らかいのね」

「丸ごと食べられるように低温でじっくり揚げたんですよ」

「酸味のあるタレが食欲をそそるわ」

「ソロル産の海藻の出汁と、ベスティア産の柑橘系果実と、地球由来アルビレオ産の調味料【醤油】と【唐辛子】を使っていますよ」


 カラリと揚がって骨まで柔らかい小魚を、酸味のある甘辛いタレに浸した【南蛮漬け】は、艦内居酒屋の人気メニューでもある。

 ニア用には唐辛子を少な目にしてあるが、居酒屋用はピリッとした辛さがくるように作られる。


「美味しい! これならいくらでも食べられるわ!」


 喜ぶニアの気持ち良い食べっぷりを、アイオはニコニコしながら眺めていた。

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