海の都
白く滑らかな砂地が見える程に透き通った水
砂から海へ延びるように出た人工物に数隻の帆がとまる。
人の熱に溢れる場所は海からの恵みを並べる。
ソルトラは美しい海を魅せたリゾート地のような場所であった。
景観にそった白い石で造られた建物が並ぶ。
しかし、不思議なことに砂辺には人がいない。
街の方には多く見える。
「ここでの遊泳って禁止なのか?」
もしかしたら海で泳ぐといった物がないのかもしれない。
森ですら目に見えた危険があるのだから。
「そういうことはないと思うけれど」
リリィに聞くがそういう訳ではないようだ。
「とりあえず言われた通りまずギルドに行こうか」
ギルドに入るとフル装備の冒険者たちがそれぞれのパーティーで話し合う。
まるでオンラインゲームの仲間内でのコミュニケーションを見ているかのよう。
前の街ではギルドの空いたときにしか行かなかったこともあり新鮮だ。
だが、その空気は冷静で誰もが思考を重ねた言葉を並べている。
「な、なんだか物々しい雰囲気ね」
どうやら、常に見られるような空気ではないよう。
「ん?お前たちも海上討伐に参加してくれるのか?人手が足りねぇんだ。すぐに受注してくれ。」
入り口で立ちすくんでいると受付にいるおっさんから声がかけられる。
もしかしなくてもこれが人の少なかった理由だろうか。
海に魔物が大量発生したとか。
「いや、俺たちは別の街のギルド長に顔を見せるように言われたのでお邪魔したんですよ。」
俺は受付にギルドカードとギルド長から貰った封筒を渡す。
「へえ、お前たちセルガードから来たのか。」
あの街ってセルガードって名前だったのか。
「海上討伐って聞きましたが何が起こったんですか?」
「ああ、急に海の生物どもが活発になってな。漁できる奴らだけなら良かったんだが厄介なもんもちらほら混ざっててな。このままじゃ危険だっつって大規模討伐になったんだ。」
厄介ながどれ程の物をさすのか分からないが前例があるから油断できない。
話しながらも封筒の中を呼んでいたおっさんは驚いたように俺に言う。
「お前、あの婆さんからCランク認定貰ったのか。良く認めれたもんだ。」
感心したように視線を俺に向ける。
「来たばっかですまねぇが、手伝ってくれねぇか?」
人手が足りないと言っていたからそうなる気はしていた。
偶然が重なってランクも上がりギルドもこの世界も知らない事は多いだろう。
俺がその中で貢献できると思えないが俺たちを見かけた時にランクを聞かずに呼びかけた事からもしかしたら役割が足りないか危険度がそこまで高い物ではないのかもしれない。
「どうする?」
他の意見を聞く。
「私は買い物もできなさそうだし手伝おうかしら。」
「私たちはゼノの意志に従います。」
「うん」
聞いたは良いがリリィが即答する辺り、依頼的には危険を冒してまでというほどでもなさそうだ。
他の冒険者から学べることも多いかもしれない。
ここは受けておくべきだろう。




