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アダプるエヴォる  作者: ユニマル
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旅立ち


 ガタガタと馬車に揺れながら景色を眺める。

 そばに座る金髪少女と黒髪少女に青髪の魔法使い。

 向かう先は海の都ソルトラ

 リリィのこともあり王都へと向かおうとしたが、ギルドからの進めもあって向かう途中に寄り道として立ち寄ることになった。

 色々な場所に訪れれば双子に近しい情報も集まり、リリィの求める食も充実していくだろうと話し合い決めた。

 資金面もルナビートルの報酬が思いの外良く直ぐに出発までの準備は整ったのだ。


 ルナビートルとやらは発生する季節の新月と満月の日に集団で行動するらしく数日前の満月の夜に近くの森に来たそうな。

 あの光景が続くと生態が激変し魔物間での勢力図の予想がつかなくなるため早急に対応する必要があったのだとか。

 一体個体なら脅威とはならないがあれほどの数となると多くの危険が伴いやすやすと近寄れない。

 大規模魔法で一網打尽にする案もあったがそれでは森にまで影響を与えるため最終手段。

 学習能力は高いらしく群れの内の何割かが失われるほどの損害を受けた場所には当分来なくなるが、森へ影響を与えずそれを可能とする冒険者は近くに居合わせていなかったようだ。

 リリィがしていた様に少しづつ間引くことで時間を稼いでいたが魔法を行使する一歩手前まで来ていたそうな。

 そんな中、追い払うことができたためかなりの報酬がでたのだ。


「あの婆さんってギルド長だったんだな」


「そうよ、あの方は大魔術師として名高いの。学校でも教材に名が載ってたわ。」


 最終手段の大規模魔法もあこ婆さん主導で行う予定だったらしく相当な使い手のよう。

 そこまでの魔法を見てみたかった気もする。


「あなたもそんな人に認められたのよ。」


 あの後、婆さんはCランクへ俺を押したため依頼をこなしていけば次第に上がるらしい。

 そんなこともありソルトラに行ったときはそこのギルドによって欲しいとも言われた。


「ソルトラって結構大きいのか?」


「そうね、食の都って呼ばれるフランベルクよりは品揃えはないけどあそこでしかない海の幸なんかも味わえるわよ」


 いや、食い物のことだけじゃなくてどれだけ栄えてるかを聞きたかったのだが。

 というか、食の都とか行きた過ぎるだろ。


「その食の都はソルトラから近いのか?」


「ちょうど王都との間にあるわ」


 次に行く場所も決まってしまったではないか。

 長旅になりそうだし火を起こせるくらいにはなった方が良いのではないだろうか。


「そうだ、俺でも扱えそうな魔術ってないか?」


「うーん、そうね私は苦手だけどソナーとかいいかもね」


「どんな魔法なんだ」


「視界に入らないような物質の場所まで把握できる魔法なんだけど感覚的なものが強くて習得は前衛をこなせるような人に向いてるって言われてるわ。あなたくらいの剣の腕があればすぐに使えると思うわよ。」


 そう言うとリリィは杖を手に持ち構える。

 杖は腰よりも高く座った状態だと持ちにくそうだ。


「まずどこでもいいから一点に魔力を集中させるの。」


 リリィは目を閉じながら説明を続ける。

 だが、まず魔力と言われてもその感覚を知らないのですよ。

 この世界の人々は身体にある魔を感じることができるのだろうか。

 

「そして、その一点から魔力を広げていくの。視点をもう一つ創るって覚えたらいいわ。」


 視点を創るならTPSを思い浮かべようか。

 常に見える主人公の背中、あんな視点から戦闘してるんだからつえーよな。

 後ろを気にせずバックステップとれちゃうし。

 そんなことができれば後ろで睡眠中の双子の寝顔を視線を外しながら拝めてしまうではないか。

 揺られると眠たくなるのは日本人の特性だって聞いたことがあるけどこの世界ではいろんな人が持ってるのかもしれない。

 あれ、あいつらって寝てたっけ。

 何で俺は寝ていることが分かったのだ。


 そう思う俺は自分の背中を見ていた。

 だが、リリィの説明は整理の終わる前に続けられる。


「それと、遮蔽物の向こう側を見る時は物の表面や目に写る景色だけの平面じゃなく、その物事態の立体をイメージすると良いわよ。」


 3Dマップ、ホログラム、元いた世界からすればイメージはたやすい。

 そんなことを考えていれば、三人称視点の立体マップ付きUIの完成。

 オープンワールドまったなし。


「それが終わったらイメージを崩さずに詠唱するのよ。」


 この先があるんですか。


「------!【ソナー】」


 なにやら呪文を唱えるようで、それに続くが変化はなかった。


「まあこれくらいね、最初は難しいけど魔法を一度使えたら他の習得も感覚が掴みやすいと思うわ。」


 リリィを見ても魔術が成功してるか分からないから自分の使っている物が正しいのか判断できない。

 リリィに礼を言い出来上がったマップをいじくる。

 マップを広げていくとじわじわと熱く体中を巡る血液が火照るかのような感覚がある。

 これが魔力と言うものだろうか。

 使うという言葉が正しいかは知らないが魔力を使用するたびに軽い運動をしたように心地よく爽快感が得られる。

 寝る前の運動とかに良いんじゃないだろうか。


 視点を創ると言っていたが光を受容して物を捉える目とは違い自分から視覚を掴みに行く事でマップが造れる。

 だったら魔力とは何だと考えるが万能エネルギーなんだと納得するしかないのかもしれない。



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