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アダプるエヴォる  作者: ユニマル
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出会う


前回までのあらすじ


ハハ、膨大な質量に潰されたと思ったら閉じ込められてたぜ!

しかも、俺がいるのは地球じゃ無い世界らしいぜ、なんてこった!

更にこの世界は魔法が使えちまうファンタジックな世界だってよ!





いつものようにガラス越しから外を見る日々。

最近は頭痛にも慣れ、更に水中での視界も良好になった。

人間の慣れとは恐ろしい。


そのおかげで、外の様子を見れる。

正面には、M字ハゲ戦闘民族が入っていたポット見たいなのが3つ程並び、その中に目閉じた人が入っている。

恐らく、俺もあんな感じなのだろう。

白衣を着たオッサン達がせわしなく動いている。


もう見るからに研究所だよね。

そいで俺は研究対象だよね。

ゲームとかでよく見る、間違いない。

そんでもって研究対象が逃げ出して大事件なサムシングでしょ、知ってる。


そうと決まればこんなとこ逃げ出そうと思えどそう簡単にはいかぬもの。

動けんし、嫌んなっちゃう。


もう脳内で数える羊すら1万を超える大牧場。

はやく外出てファンタジックワールドを拝みたい所存。


そんな俺の願いに作用したのか急に辺りが赤く光る。

光ったと思えば研究者たちが慌ててどこかへ行ってしまう。


まさかの放置プレイである。

しばらく待つと人影が見えた。

手元には刃の付いた物騒な代物を持っている。


これはあれだろ襲撃されてるやつだ。


襲撃者と思わしき人物は視界から消える。

消えた先でドカン!と大きな爆発音がすると煙が立ち始める。

煙と共に襲撃者が現れると研究者たちが逃げていった方へと行ってしまった。

赤い光も消え去り、研究室は暗闇となった。

程なくすると体の自由が利き始める。


これは何だか脱出できそう。

景気よく両足で目の前のガラスを蹴る。


パリン


水と共にダイナミック脱出

久々に全身の肌に触れる空気が気持ちい。


…全身?


下を見れば息子がこんにちは

事件です、全裸です、変態です


このまま俺ごとお日様を拝めば悲鳴と共にポリスメンがやってくる。

急いで当たりを見渡すと研究者が着ていたであろう白衣を見つける。

しかしこれでは余計に不信度が増した気がする。

全裸です、白衣です、変態です


キョロキョロと当たりを見渡すと俺以外の人間が入ったポッドが目にはいる。

並ぶポットは3つ。

リクライニングシートに付いてる引くタイプのレバーが動かせと言わんばかりに目に入る。

レバーはそれぞれに付いており、左のポッドへ手が伸びる。

不思議なスイッチがあれば押してしまうのが人の性、目の前のレバーもまたしかり。

もしかしたら同じように人が閉じ込められているかもしれない。

好奇心に任せて引いてみる。


プシュー


SFチックな音と共にポットが開くが何も入っていない。

ガチャ内容はまさかの空砲。

しかしまだ俺には弾が2つ残っている。

今度は真ん中を空ける。


プシュー


またしてもポットは開かれる。

しかも今度のガチャは中身入り。

何と全裸の幼女が出てきてしまった。

金の長髪をもっている。

胸が上下に動いている事から多分生きているのだろう。

スヤスヤ眠っているようなので今は触れず隣のポットを空けるとしよう。


プシュー


変わらぬガチャ演出の後、俺の目に映るはまた幼女

被りキャラだがこちらは2Pカラー

黒い長髪を持っている。

さっきの幼女と同じ姿勢で眠りこけている。


どうしたものかと悩んでいると少女の声が耳に入る。


「おはようございます主様」

「おはよう、主様」


声の方を向いてみれば、全裸の幼女二人が俺の方を見ているではないか。

眠っている時は分からなかったが二人とも空の色をした瞳を持っている。

こうして立ち姿を見ると幼女と言うよりはロリ、ロリと言うよりは少女、じゃあ何なんだと言われれば分かりません。

そして、全裸の幼女に主様と呼ばれる俺は呼び方を改めさせねばならない。


「おはよう」


取り敢えず挨拶を返す。

挨拶は大事だ。


「俺はゼノと呼んでくれ」


何でこんなに直ぐに対応できたんだ俺

…いや??俺の名前ってこんなのだったっけ

どうしたんだ俺、しかっりしろ俺

見慣れぬ裸体に動揺しているのか俺

さすが童貞マインド


「かしこまりましたゼノ様」

「よろしく、ゼノ様」


そう言って金髪ロリ少女が敬語、黒髪ロリ少女がフランクに話しかけてくる。

ただどちらの声にも抑揚はなく平坦としたゆったりボイス


「様も付けないで」


全裸少女たちに全裸の男が様付けとか許されませんよこれ。

というか、そんな事よりもここから外の世界を拝むことが先決だ。

ポッドガチャにそそられてロリ二人をゲットしてしまったがファンタジーを身に沁みたい。

ただ何の目的もなく冒険をするというのは味気ない物、何か目的が欲しい。


「君たちの名前は何ていうんだ」


外へ行くにしてもこの2人を置いていくわけにもいかないだろう。

自分の好奇心による結果だ。

身から出た錆、ポッドから出たロリ


「私はツーレ」

「私はクーレ」


金髪がツーレ、黒髪がクーレのようだ。


「君たちはどこから来たのか教えてほしい」


取り敢えず、このロリたちを元の場所へと返すことを目標にしよう。


「私達の居場所はゼノの下だけですが」

「?」


ツーレがそんな事を言う。

クーレに至っては首を傾げ何を言ってるのか疑問を浮かべている。


ここにいた人間たちに連れてこられた事も考えたがもしかしたら造られたかもしれない。

ここはファンタジー、未知の世界だ。

それにあの水の中で得た知識も恐らく一般常識と思わしき所で止まっている。

いかんせん情報が足りない。


「とりあえずここを出よう」


何故だかこんな悠長なことをしてしまったが、ここの人間が戻ってこないとも限らない。

それに俺とこのロリ2人は良く分からない機械に入れられていたのだ。

見つかって友好的に事が進む可能性は低いだろう。


そうは言っても、先立つものに不安を感じる。

周りを見ると煙の立っていたと思わしき場所に何やら光るものが。

近づくとその場所はこれまたファンタジーとは程遠い何かの溶液に満ちていたのであろう3メートルほどもあるガラス管が割れそこから水滴が垂れている。

割れた中には鍔の無い刀が一振り。

護身用として拝借しておこう。


俺たちは外の世界へと向かうのだった。


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