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ボコボコ、そんな音で俺は目を覚ました。
そこは、バスケットボールがちょうど嵌りそうなの丸い窓が正面に1つついた壁。
それが周囲に10センチ位の距離感で俺を囲んでいた。
ううむ、何処だここ。
体が首から上しか動かん。
く…仕事に行かねばならんのだ、まだノルマが…ノルマがぁ。
そう言えば、視界がボヤけるな 水の中に裸眼で入った感じだ。
……いや、水の中にいる!
何だこれは!
俺は息を止めた。
後ろを振り向くも壁だ、つまり水の入った何かに閉じ込められている!
うぐぅ、息が続かない……
ーガボガボ…
…………………………ん?息出来るじゃん。
これ水だよな?
■
翌日
まだ脱出できない
目もある程度開けれる様になったし体も少し動かせる。
だが、ここからまだ脱出できてない。
何でこんな状態なのかも分からない。
ご飯とかの心配をしたが、お腹が減らなかった。
排泄物すら出ない。
大丈夫だろうか…
そんな状態の中でこの状況を把握してみた。
・中は液体で満たされているのに呼吸は普通に出来る。
・たまに人影が見えるが水でぼやけて分からない。
・この世界の知識がジワジワと頭に入ってくる。最初の方は頭痛が酷かったがいつの間にか無くなっていた、慣れだろうか。
今『この世界』と表現したが 俺がいる所は『アトラス』という地球ではない別世界らしい。
そう、何と俺は異世界に来てしまった様だ。
この世界は中世ヨーロッパ的な街並みのようだ。
ちなみにトラックに潰された時に一度死んでいるらしい。
頭に入ってくる知識からの推測なのだが……異世界転生というやつだろう。
何に転生したか知らんが、魚だろうか?
とか思っていたが一応は人の体だった。
いやはや、目の前に異世界へ行きそうな青年が いると思ってたら まさか自分がなるとは……
世の中 分からないな。
まぁ、何故 異世界に来てまでこんな所に入れられている方が分からないけど…
与えられてる知識にとても重要な事があった、お金の単位とかこの世界の言葉、魔法スキルや魔物がいる事…
そう!魔法!スキル!魔物! この世界は、ファンタジーな世界らしい!
しかし、この変な所に入れられて動けないから何も出来ない。
転生先が人の子供なら、魔力を使いまくって魔力量を上げるという 例のアレをやるのだが…
首から下が動かせないし、そもそも魔法の使い方とか知らんし。
魔法が使いたいでござる。
■
あれから更に二週間がたち、新しい知識が増えた。
知識と言っても言葉とか通貨とか。
まぁ、知識だけあっても使い方用もねーから何もできないんだけどね。
ちなみに知識が入るとき頭マジで痛いです。
もうやだ、ナニコレェ…