変な彼女と優しい彼氏の話
「すばらしい乳房だ蚊が居る」
「……何て?」
「冬川にごみを流してもどる」
「今、夏だよ」
「節分の豆をだまつてたべて居る」
僕の彼女は少し変だ。彼女が僕の顔を見てとても不思議そうに言う。
「知らないの?尾崎放哉。教科書にのってるよ」
「詩人かなんか?」
「咳をしても一人な人」
「それはきいたことあるね。好きなの?」
彼女はにひひっと笑う。
「好き。俳句ってよくわかんないけど。君も好きでしょ?」
僕には少し難しすぎる。でも
「好きだね」
「でしょ。だと思った。他にもね……」
そうやって、にひひひひって君が笑えば何でも好き。
尾崎放哉の俳句をつかわせて頂きました。
私も俳句について全くの無知ですが、この方の俳句は好きです。
お読みいただきありがとうございました。