EP.
体が熱い、鉄の塊に自分の中を弄くり回された後の気分は最悪だ。下腹部から湧き出てる自分の血はとても味わえたものじゃない。
これを美味しくいただけるのは、至高のフルコースを求める美食家だけだろう。日曜日の朝はOPからガツガツだったぜ…。今はサイヤ人だったかな?
そんな頭の悪い考えをしている俺の哀れな姿を見つめているのは1人の少女。
顔の造形は整っていて、町を歩けば誰もが振り向くだろう。俺が女なら嫉妬間違いなしのレベル。
整った鼻、ぱっちりお目々、天然ロングまつ毛、唇はプルプルときた。この作品とも呼べる顔を表現しきるには、かの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチでも苦労するに違いない。
髪は街灯より明るいと思わせる白をなびかせ暗い夜の公園の風景に眩しい彩りを与える。見た目から滲み出る気品の高さが伺える…
『私の捕獲レベルはいくつだと思う?』
と思っていたがそんなことはなかった。
さっきの俺の脳内比喩を撤回させろ…!
ぶっちゃけ98くらいあるんじゃないだろうか。そんなシャ○ンフルーツの服は俺の返り血を浴びて赤く染まったYシャツとブレザー。見慣れた制服のスカートの血を拭うと彼女は笑顔でそんなことを言う。
誰のせいでこんなことになってると思っているんだという反抗の意を込めて唯一動く鼻を鳴らしてみる。
『秀吉君の真っ赤なはなくそが飛んだことは私は黙っていた方がいいのかしら?』
こいつまじでぶっ殺してやりたい…。さっきから人の頭の中を読んだり、空気の読めないこと言いやがって。
っていうかはなくそじゃねぇし、血の塊だし、いつも鼻うがいしてたからはなくそなんてある訳無いしー。という弁明の余地を許さず彼女は続ける。
『私が愛してる人の頭の中を見通すことができることくらい秀吉君なら知ってるでしょう?』
答えられない状況とわかっていながら、なぜさっきから疑問形ばかりなんだ。ムカつく。
『私のこと好き?』
ニヒルな笑みを浮かべて彼女は微笑む。
好きなわけないだろう。好きな人の腹の中かき混ぜて笑顔の女の子とか絵面がヤバイしいろいろやばい。
俺の好きなタイプの子はもっとおしとやかで黒髪ロングの………
『ぐああぁぁぁ……!!あがぁ…い、痛ぇ……』
『またあの女のことを………』
かろうじて出た声と共に溢れ出す血。傷口をグリグリするの、やめてね☆
『秀吉君があの女のこと話すから!ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく。』
先程までの麗らかな女神様から一転、悪魔のような形相が姿を現わし、全身で怒りを表現している。(俺の細い身体を蹴ったり、中を混ぜたりしてる)
あの女って誰だよ…。タイプの女の子を思い浮かべただけじゃないか。
『うるさいうるさいうるさい!!。』
『もっと私と1つにならないと秀吉君はわからないみたいね…もっとしてあげる…。』
相変わらず人の頭の中を勝手に読んでは怒る少女。またお腹の中を掻き混ぜ始めたようだ。
先程から体をいじられていて気持ち悪かった俺はやっと意識が遠のく感覚が来たことに安堵を覚えた。激しい痛みの中でも終焉が来ることに安堵を感じる俺はもう普通ではないのだろう。
『やっと終われる…。』
『最高…最高だわ!!!愛しい人をこの手で自分の中に導くこの快楽……はぁ、はぁ、ぁぁぁぁああ!!』
彼女の狂った嬌声。
血しぶきを浴びながら笑う彼女はやはり美しい。
彼女を狂わせた原因である自分の罪
気づかなかったことが罪だったのだろうか。
いや、一度でもその感情を向けてしまったことだろう。
今さら弁明の余地などないだろうに…
長かった日々を回想する暇もなく俺の意識はそこで途絶えた。




