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パンドラゲーム  作者: 香村 サキト
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043

暗闇の中に1つの光源があった。その光源は斜め下に何処までも何処までも下りていく。


人差し指の第一間接部分に光を灯すその青年は、階段を1段1段下りている。


コツコツコツという足音以外は聞こえてこないそんな静寂のなかで、青年は階段を降りて、平坦な道に足をつけた。


青年の目の前には目的の扉があった。

その扉は青年の身長の2倍位の大きさで、取っ手には錆びが1つもない綺麗な銀色をしている。上側を見るとB3Fと標記されているためにここが地下の3階であることが分かるだろう。


青年が重い扉を開けて中に入るとすぐ横にあるスイッチに手を伸ばした。

そのスイッチは、現在上側に倒れていて、下側は出っ張っていた。

下側の出っ張りを押すことで「カチッ」と音が鳴り、倒れていた上側が浮かび上がった。


周囲の暗闇を端へ端へと追いやるように天井に明かりがつけられた。

今まで暗闇の中を人差し指の第一間接で灯していた小さな光のみを使い歩いていた青年は顔の前で手をかざして、光に目が馴れるのをまった。


明かりがついたことで、部屋の全体像が見えてきた。

部屋は、真っ白な天井と壁に囲まれていて、床は水色のような色をしている。

扉の位置から前の方には、様々な機材がつまれていた。

部屋の左右にはスピーカーがあり機材の前側にはマイクが置かれていた。


スピーカーから音楽が流れてきたのならば歌うこともできただろうが、この部屋はたんなる指令室だ。


部屋に明かりがついたことで青年は....ノトは部屋の中にある機材のもとに歩いた。


ポチポチとボタンを押すと目の前の壁にスクリーンが映されて、部屋の中心に一人の男が立っていた。


名はボス。本名など覚えていない。


「ボス、聞こえているか?」

「はい」

「そうか、なら準備ができしだい始めるがどうする?」

「戦闘準備は整っております」


その言葉を聞くと、ノトは機材をポチポチといじっていき最後に手のひらを四角いボードの手の形をした窪みに合わせてのせるとそこから魔力を流す。


吸いとられた魔力がスクリーンボードを通じてボスの部屋まで運ばれた。

魔力を流した後のスクリーンは、足から徐々に形をつくり胴体や腕や頭まで創られた。


その人形は髪の毛はもちろん眉毛や目や鼻や口や耳など人間に無くてはいけないものが備わっていなかった。

服を着ていないマネキンと言えばいいのかそれともデッサン人形と言えば分かりやすいのだろうか?

そんな見た目の人形がそこに立っていた。


ノトは人形に簡単なコマンドを書き込む。

それは、攻撃パターンや防御の重要性、更には移動の足運びにまでびっしりと設定を書き込んだ。


何故そこまでびっしりと書いたのに簡単だと言えるのかというと、難しい設定の例を言うとするならば、魔力がどのようにして身体中を流れるのかの魔力回路系やそれに準ずる能力系もそうだろう。

炎なら炎を操るために適した回路があり、水にもそれに適したものがある。他もまた同じこと。


それぞれの力に効率というものがあり、それに関しての知識が乏しいノトには、ノーマルタイプのパワー型人形を創るのが一番楽なのである。


設定を書き終わったノトはマイクに向かって準備が終わったことを告げる。

「こちらの準備はできたぞ」

その一言でボスから魔力が溢れてくるような気がしてきた。


カウントダウンとして5秒から数える。

残り2秒になるとボスの纏う空気が色濃くなる。

そして0になりボスと人形が動き始めた。


拳と拳がぶつかり合い、残った拳もぶつかり合い、どちらともなく頭突きをかます。


頭突きによってお互いがよろめくことによって後ろに下がっていく。

距離的にはまだ拳の届く範囲ではあるが、その距離は、今のボスには近すぎて、人形には遥か遠くに思えた。


「力を..........」


そこに技名は存在しなかった。

イメージできれば発動できるこの世界においての技名を叫ぶと言う行為は、敵に今からこの技を使いますと宣言しているような物で、無駄な行いだと頭に染み込んでいる説明で知っているからボスは力の一言しか言わない。


呟いてからわずか数秒後、ボスは新しい能力を行使して人形を破壊することに成功したのであった。

ボスの戦闘シーンはVS鏡の時に書きますので今暫くのお待ちを(予定)

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