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パンドラゲーム  作者: 香村 サキト
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全員が落ち着いた頃、外に出る為に扉を潜る。

鏡と結衣以外の足取りはトボトボとしたもので、全体的に肩が下がりぎみだし、顔を俯かせているからか雰囲気が暗いのはあの時からあまりかわりない。


全員が遺跡からでると輝き始めた。

1の試練と同じ現象なので驚いているのは始めて見たフィロスとソフィアだけだが、その表情はあまり良いものではなかった。


鍵は当然だとばかりに鏡の元に飛んでくる。


「この鍵はどこで使えばいいんだろうね」


鍵を握りしめながらそんな事を呟いた。

でもその答えを持つものはいない。

ここにいる全員が知らないことだから。


「さてと、そろそろ進みますかね」

「鏡!お前は仲間を....光太郎を何だと思ってるんだ!」


あまりにも軽い言葉をかける鏡の胸ぐらを大雅が掴み引き寄せた。

体格的の大きい大雅に掴まれたことによって、体格が一般的な鏡は抵抗出来ずに引き寄せられた。


怒り狂った大雅は鏡の言葉次第で殴ってきそうな雰囲気を醸し出している。

質問の意味を真面目に考えてみるとしますか。


光太郎とは1の試練入り口で結衣さんといるところで出会った。

試練内では道が別れていたから別々で行動した。


そう言えば光太郎の試練攻略の目的を聞いたこと無かったな。

僕と晴輝と大雅さんと凛さんは現実の世界に戻るために試練を受けることを選んだ。


結衣さんは僕達よりも先に試練を受けていたけどとりあえず今のところは晴輝と一緒にいたいからだろう。


風花は何処かにいるはずの兄を探す次いでに試練攻略の協力をしていたそうだけど見つける前に体を失ってしまった。


フィロスとソフィアは僕を捕まえて自由になるために試練に入った。


それを考えると光太郎は何が目的だったのだろうか?

何かの目的は合ったのだろうけど今の僕には何も思い付かない。


今回の試練の前には僕を助けるために迎えにきてくれたし、フィロスがピンチになった時に誰よりも速く駆けつけたのは光太郎だった。そして、消えた後も皆の目的の達成の為に光太郎から魂を託された。

出会ってからそんなに時間がたってないと言うのに。


だけどこれだけは言える。


「同じ目的をもった仲間....いや、これからも一緒に戦うことを決意した戦友です」


大雅は僕の顔を数秒間眺めた。その視線には嘘は言ってないだろうな?という疑いの視線と後者の言葉の意味をどういう意味で言ったのかを理解しようとしているがその顔には疑問符しか浮かばれていなかった。


信頼されてないんだな。と思うが、光太郎の現在の状況を何となく知っている僕と全く知らない大雅達では分かりあえないことだろうと自分に言い聞かせることにした。


それから数分後大雅は結局理解出来なかったのかそれとも色々と鏡のことを諦めたのかは知らないが掴んでいた胸ぐらを離して「すまなかった」と一言謝罪をいれ、試練のあった場所から移動するのであった。

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